2018.04.24

不妊症の定義とは?当てはまる状態や期間、考えられる原因は?

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結婚して数年、子供ができない。

「不妊症かも?」と感じても、まずどうすればいいのか悩みます。

疑いを深める前に、そもそもの不妊症についてきちんと知りましょう。

不妊とされる状態と期間、不妊リスクを高める原因を把握し、受診の参考にしてください。

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もしかしたら不妊症かな?と思ったら…

なんとなく自分が不妊症かもしれないと考えたとき、いきなり対策に乗り出したり不妊外来の受診を検討するのは、少し待ってください。

不妊には、日本の学会やWHOにより提唱されている定義があります。

不妊症とは何なのかを知った上で、自分に当てはめて考えてみましょう。

不妊症といわれる状態って?

不妊症とは一定期間妊娠しないこと

不妊とは、「避妊なしで夫婦生活を一定期間続けても妊娠しない状態」を指します。

「一定期間」は状況や病歴、年齢によって個人差はありますが、1年を基準としているクリニックが多いです。

妊娠する能力=妊孕力(にんようりょく)に問題がなく、避妊せず夫婦生活を持っている夫婦の約7割が、結婚後半年以内に妊娠するそうです。

結婚後1年では9割、2年では10割、つまりすべての夫婦に子供ができるといわれます。

こうしたデータから、1年で妊娠しなければ不妊症という定義が成り立っています。

一度も妊娠しない「原発性不妊」と、過去に妊娠・出産経験のある人がその後妊娠しない「続発性不妊」があります。

「治療なしでは自然妊娠する可能性が著しく低い状態」も不妊といえます。

病気などにより自然妊娠が難しく医学的な助けが必要な場合は、期間を問わず不妊症となります。

不妊症自体は病気ではないとされている

「不妊症」という病気はありません。

さまざまな要因により、妊娠する力が弱い・無いという症状がある「症候群」です。

症候群は、原因が何であろうと、その症状がある状態を指します。

基本的に、病気は原因を突き止めて「取り除く」ことで病状の改善を目指しますが、不妊治療の多くは妊孕力を弱くしている障害を「乗り越える」ための処置を行います。

たとえば、精子に異常があれば、異常を治療するのではなく、正常な精子を採取して妊娠につなげる努力をします。

治療においても、病気とは根本的に異なります。

回数が少ない場合には不妊に当てはまらない

ほとんど性行為を持たない夫婦の場合、結婚後1年で子供ができなくても不妊かどうかは判断できません。

あくまで「夫婦生活を一定期間”続けている”」場合の判断基準なので、回数が少なすぎるのはそれ以前の問題です。

通常、妊娠に不可欠な排卵は月に一度起こるため、月に最低1回以上性行為を行っているのが”続けている”といえる条件です。

1ヵ月以上性行為がない状態は「セックスレス」と定義されます。

本来は不妊症には当てはまりませんが、子供を望んでいるのに精神的な問題によるレスのため妊娠しないのであれば、不妊の原因のひとつとして扱われることになります。

レスに悩む夫婦に体外受精が行われ、妊娠に至った例もあります。

不妊症とされる期間

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WHOによると1年とされている

世界保健機関WHOは2009年より、不妊症と判断される不妊期間は1年を提唱しています。

2015年に、日本の産婦人科学会がこれにならう形で定義を変更しました。

WHO以外にも、 ICMART(国際ART(生殖補助医療)監視機関)、ASRM(アメリカ生殖医学会)、ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)など海外の諸機関で、不妊期間1年が不妊症の定義として採用されています。

世界的に、基準とする不妊期間が短くなる傾向にあります。

以前は2年とされていた

日本産婦人科学会ではつい最近まで、不妊症の定義における不妊期間について、「2年が一般的」と記載していました。

それを世界の基準に合わせるに至った背景には、晩婚化や女性のキャリア指向などがあります。

子供を作る年齢が男女ともに上がってきている現状から、問題があれば早めに治療を開始できるよう促す狙いがあります。

日本より妊娠の高齢化が進むアメリカの生殖医学会は、女性が35歳以上なら1年を待たず、半年の不妊期間で検査を受けることを認めるとする見解を示しています。

また、20代と若いのに半年以上妊娠しない場合も、不妊を疑うべきとする考え方もあります。

妊孕力が年齢に深く関わっていることがわかります。

不妊期間だけでなく、年齢や病歴を考慮に入れて、産婦人科や不妊外来の受診を検討してください。

不妊症の原因

病気によるもの

不妊の原因となる病気のひとつに、排卵障害があります。

ホルモン分泌に異常が起きて、卵巣や卵子のもとである卵胞に問題が出る病気です。

女性の不妊原因のうち最も多いのが排卵障害といわれ、全体の約3割を占めています。

排卵障害の種類として、卵胞の発育に時間がかかる多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群、排卵がうまく行われない高プロラクチン血症や甲状腺機能低下症、排卵がない卵巣性無排卵症、卵胞が破れず卵子が出てこない黄体化非破裂卵胞などが挙げられます。

それぞれ問題のあるホルモンが異なります。

排卵障害によって現れる症状に月経不順があります。

生理の周期や日数が短すぎる、あるいは長すぎる状態が続きます。

自覚できる異常なので、産婦人科で相談してみましょう。

ただ、毎月出血があっても実は排卵していない、という場合も。

基礎体温を測れば排卵の有無をある程度知ることができますが、やはり適切な検査を受けることが重要です。

排卵障害のほかには、卵管狭窄、卵管閉塞、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸管のトラブルなど、不妊につながる病気にはさまざまなものがありますが、自覚症状はないものがほとんどです。

ストレスによるもの

病気による排卵障害のほかに、精神的なストレスや無理なダイエットで排卵に異常が出るケースもあります。

生殖機能ができあがっていく10代の成長期や妊娠適齢期である20代に、過剰なストレスを受けたり、急激なダイエットを行ったりした場合に、排卵機能に障害が現れるのです。

20~30代で排卵が止まってしまう=閉経してしまう人もいます。

完全に排卵機能が失われたら、現代の医学では他人の卵子提供を受ける以外に妊娠する術はありません。

心当たりがあるなら早めの受診がおすすめです。

またストレスは、男女ともに妊孕力の低下を招くことが知られています。

子供ができないことを気に病むあまりストレスをため込んでしまい、余計に妊娠率が下がる、というのも妊活中に起こりやすい悪循環です。

喫煙などの生活習慣

毎日の生活習慣は妊孕力に影響します。

とくにリスクが大きいとされているのが喫煙。

タバコに含まれる有害物質が排卵に関わるホルモンの分泌を阻害し、卵子に染色体の異常を起こして、妊娠しにくい身体にしてしまいます。

非喫煙者と比べ、喫煙者の閉経は早く、妊娠率も低い傾向にあります。

体外受精の成功率も下がり、流産の確率は明らかに高くなっています。

妊娠を望むなら、すぐに禁煙しましょう。

他にも気を付けたいのがアルコールです。

実は「飲酒により妊娠率が上がったor下がった」、どちらの報告もあります。

ただ、やはり飲みすぎはNGで、高齢なほど飲酒の影響を受けやすいという結論は共通しています。

「飲みすぎ」になる量は個人差が大きく、定義は難しいです。

しかしアルコールの過剰摂取が男女ともに生殖機能に有害であるのは事実なので、毎日のように飲む習慣があるなら、ぜひ見直してみてください。

男性側に問題があることも

不妊のうち、24%が男性側に原因があるといわれています。

男女ともに原因があるケースは全体の24%なので、約半数で男性に問題があることになります。

男性不妊の主な症状には、精子の動きや数、奇形率などに問題がある造精機能障害、満足に性交できない勃起不全、射精障害などがあり、これらを合併していることも多々あります。

生活習慣の見直しで改善するものから外科手術が必要なものまで、症状や程度により治療法も多岐に渡ります。

男性側に問題があるかどうかは、まず専門の泌尿器科や不妊外来で精液検査をして判断します。

不妊症の検査は夫婦2人とも受けるのが原則で、効果的かつ効率的な治療に取り組むためにも、双方の理解と協力が不可欠とされています。

原因不明なこともある

統計をとった時期や地域によってさまざまなデータがありますが、不妊症と診断されたうち、1~3割が原因不明とされています。

男女どちら側にもはっきりとした原因がないにも関わらずなぜか妊娠しない、不妊である原因を突き止めることができないのです。

原因不明不妊と呼ばれますが、治療により妊娠することは可能です。

多くがタイミング療法に始まり、主治医と相談しながら体外受精や顕微授精などにステップアップしていく形になります。

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不安になったら産婦人科で相談を!

不妊症の定義、不妊リスクを高める原因に当てはまるところがあるなど、少しでも気になったら、産婦人科の受診を考えてください。

仮に検査して問題なければ、今後の安心材料になります。

統計的なデータやネットの情報は参考資料ですが、自分の状態を冷静に見つめる指標になります。

行動を起こすきっかけ作りに活用していきましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。