妊活をはじめてから一定期間を過ぎてもなかなか妊娠しない場合、次のステップとして「不妊治療」を考えます。
では、不妊治療とはどんな検査をして、どんな治療をしていくのか?
期間や費用は?
など、たくさんの疑問が湧きますよね。
不妊治療の知識を夫婦で共有し、お互い納得した上で無理のない治療をしていきましょう。
妊活をして一定の期間を過ぎてもなかなか妊娠に至らない場合「不妊」かもしれないと悩んでしまうことがあります。
20代~30代前半までならその一定期間を半年から1年とするのが、一般的です。
不妊を疑う場合は、早い段階で次のステップに進むことが大切になってきます。
不妊症の原因は女性だけでなく、男性にもあることは現在広く知られています。
では、男女それぞれにどんな原因があるのでしょうか。
女性側に原因がある場合の多くが、排卵障害、卵管障害、子宮内膜症や子宮筋腫、着床障害などが挙げられます。
排卵障害の場合、原因はいろいろありますが、ホルモン分泌の関係や環境の変化に伴う精神的なストレスなどが考えれられます。
また、クラミジア等の感染症が原因で卵管障害などが起こりことがあります。
しかし、この場合は無症状な場合が多いので、いずれにしても早めに産婦人科に相談することが重要になります。
男性側に原因がある場合は、主に性機能障害と精液性状低下が挙げられます。
射精がうまくいかない「性機能障害」は、ストレスなどから性行為がうまくいかないED、膣内射精が困難な膣内射精障害などがあります。
「精液性状低下」は、軽度~中度と高度に分けられ、精子の運動率や数などを調べて確認します。
高度であると、「無精子症」の場合が多く、自然での受精が難しくなります。
そのほとんどが原因不明の場合が多いですが、現在ではさまざまな方法により受精の可能性があります。
「セックレス」も不妊症の原因のひとつです。
セックレスは1ヶ月以上、夫婦の間で性交渉がない状態と定義されています。
要因の一つに男性ホルモンの分泌量の低下が挙げられます。
この男性ホルモンは20代がピークで、30代から減少傾向となると言われています。
特に現代では晩婚傾向にあるため、性交渉が減ってしまったり、男性のほうがうまくいかなかったりすることも。
いろいろな原因やトラブルによって「いざ、妊活!」となったときに、精神的なストレスなどで不妊症になってしまう事もあるのです。
ストレスが原因で不妊になるケースもそれぞれにあります。
女性の場合は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つの女性ホルモンが、なにかしらの心理的要因のストレスを受けて溜めすぎてしまうと、それらのホルモンのバランスが崩れ、不妊の原因になってしまいます。
男性の場合も、睡眠不足や仕事の疲れから精子の質を落としてしまったり、仕事などの人間関係のストレスが続くと、性欲の低下に。
さらに、妊活のプレッシャーによるストレスが重なり、不妊の要因になってしまいます。
不妊の治療に進んでいく場合、パターンはさまざまです。
検査の結果によって、ステップアップして行く場合もあります。
それぞれの治療内容を見ていきましょう。
まずは、治療法を決めるための検査をそれぞれにおこなっていきます。
検査の結果に異常がなければ、まず「タイミング療法」から始めます。
これをおおよそ半年をメドに進めていき、その後結果が出なければ、人工授精→体外受精→顕微受精とより高度な方法に変えていきます。
これを「ステップアップ治療」といいます。
ステップアップ治療は、ある治療を行い、それに対して結果が出るかどうか判断する治療法で、他の病気の治療法とは根本的に異なります。
またこの治療法では、どのくらいの段階で次のステップに進むかは医師と患者さんによってさまざま。
大抵の場合、5~6周期でステップアップしていくのが基本で、2年以内を目安としています。
タイミング法は、排卵日の2日前から排卵日にあわせて性行為をおこなう方法です。
排卵日を事前に超音波検査や尿検査などで予測します。
また、通院して排卵日の予測精度を高めることで、自然妊娠の率も高まります。
排卵障害があった場合は、ステップアップ法として「排卵誘発剤」を使います。
排卵誘発剤には内服と注射の2種類があり、内服のほうが効果は緩やかです。
タイミング法で約6周期おこなっても結果が出ない場合、次の段階として「人工授精」にステップアップしていきます。
人工授精は、採取した男性の精子を直接子宮内に注入し、妊娠をサポートする方法です。
タイミングとしては、排卵日2日前~排卵日のいずれかで注入します。
排卵誘発剤も併用することが多いため、自然妊娠のように妊娠する確率が高くなります。
また、施術の際の痛みもほとんどなく、数分間の安静後は日常生活にも支障がありません。
この方法は、5~6周期を目安におこないます。
体外受精は、人工授精で妊娠しなかった場合に行う治療法です。
体外受精は、女性の卵巣から排卵直前の成熟した卵子を採取し、同じく採取した精子を同じ容器にいれて受精をさせ、受精卵になったものをまた子宮に戻す方法です。
卵管の詰まりや切除などの卵管性不妊であったり、男性不妊の場合などが対象となります。
年齢や症状により、検査後この方法になる場合もあります。
また、状況によっては顕微授精になる場合もあります。
体外受精や顕微受精の場合、女性の身体的な負担も大きく、費用の面でも負担が大きくなります。
ステップアップ法で進めていってもなかなかいい結果がすぐには出ない場合、治療期間はどのくらいなのでしょうか?
ここでは、期間と費用について詳しく見ていきましょう。
不妊治療でかかる期間の平均は「約2年間」といわれています。
これは不妊治療をおこなっている、ある病院での成果発表で報告された数字です。
医師によっては「不妊治療は夫婦100組いれば、治療法も100通りだから平均年数はない」という方もいます。
不妊治療は女性の体、男性の体によって原因はさまざまです。
また、治療時の年齢によっても成功率が変わってきますので、目安程度に知っておくのがいいでしょう。
妊活からの不妊治療を続けてくると、どんどんストレスもたまってきます。
夫婦間でのイライラは、不妊治療の上でもプラスにはなりません。
不妊治療のストレスから、ホルモンのバランスが崩れてしまうこともあります。
ある程度進めて、結果がなかなか出ない場合は一度治療を休むことも不妊治療のひとつです。
妊娠を目指す上で、一度治療から離れてみる決断も必要です。
治療のストレスから解放されて、自然妊娠することも少なくないようです。
不妊治療の期間目安は「約2年間」ですが、その間の不妊の治療費は高額になることがほとんどです。
平均で140万円ほどと言われています。
また2年以上の不妊治療ならばもっとかかります。
例えば、一般の不妊治療(タイミング法~人工授精)ですと、1回での治療などが数千円~数万円です。
高度不妊治療(体外受精~顕微受精ほか)になると、1回の治療で数十万円~と高額になります。
また、一般の不妊治療において保険適用されることが多くありますが、高度不妊治療の場合は、高額なうえに保険適用外の実費負担となります。
不妊治療前におこなう不妊検査も、一つの検査が数千円~数万円です。
ですが、不妊治療には住んでいる地域や国の助成制度がありますので、お住まいの(該当する)都道府県などのHPで助成金を受けられる金額や条件を確認してみましょう。
不妊治療の場合、まず前提で必要な検査を受けておくことが重要です。
これは夫婦ともにです。
これにより治療計画が大きく変わってくるからです。
例えば、卵管が詰まっていることが検査で判明していれば、タイミング法ではなく「体外受精」から始めるというように計画が立てられます。
また、20代~30代前半であれば時間的に幅があるため何回かチャレンジが出来ますし、その分成功率もあがります。
35歳からになると急激に妊娠力(成功率)が低下するため、早めのステップアップを考えましょう。
男性の場合も同じです。
しっかりと検査を受け、不妊の原因や体の状態によって治療の選択肢が違ってきます。
年齢によっても、治療計画は変わってきます。
卵子、精子とも年齢にともない「質」が落ちるからです。
「質」が落ちると妊娠しづらくなります。
卵子も精子も「老化」するのです。
特に、卵子の状態は実年齢と同じと考えておきましょう。
30歳なら卵子の年齢も30歳になります。
不妊について向き合うことはとても大切なことです。
不妊は女性だけが原因で起こることではありません。
不妊の原因を早くに検査して知ることがまずは第一歩です。
また、晩婚傾向の現在、妊活を考えているのであれば、すぐに始めることが大切です。
それぞれ差はありますが、積極的に検査・治療をして、早く良い結果が出るのは20代~30代前半まで。
35歳以上は、すぐに良い結果は望めないかも知れないと言うことを覚えておきましょう。
また、検査や治療法には高額な費用が伴いますので、必ずパートナーと話合って進めていきましょう。