子宮頸管は、膣と子宮腔を結ぶ子宮頸部のことで、子宮の出口を巾着のように閉めてバリアをしている筒のような形をしています。
子宮は、大きく2つに別れます。
子宮の3分の2を占める子宮体部と呼ばれ部分と、その残りの3分の1を占める子宮頸部の中に子宮頚管があります。
子宮頸管では、排卵期になると、子宮頚管からアルカリ性の子宮頚管粘液が分泌されるようになり、精子が子宮に進入するときにその動きを活発にしてくれる働きをしています。
しかし、頚管因子による不妊症になると、排卵日が近くなると子宮の入口は、通常子宮頚管から分泌された頚管粘液で満たされています。
この頚管粘液により精子の通りを助けていますが、 頚管粘液の量が減少したり、子宮頚管部に子宮筋腫があると、精子が子宮の奥に進めむことができません。
そのため、頚管性の不妊症の原因となるのです。
子宮頸管因子による不妊症の原因には大きく分けて、3つの原因があります。
子宮頸管炎とは、子宮の下部にある頸管 の粘膜が病原菌に感染して炎症が起こることをいいます。
膣炎から病原菌が子宮頸管に上ってきて炎症を起こすケースが多く見られます。
これは、子宮頸管粘液の分泌が十分でないので精子が卵子に向かって上っていけない問題があります。
抗精子抗体は、夫の精子と自分の子宮頸管粘液の適合性が悪く、精子を抗体でやっつけてしまうために精子が死滅してしまうことがあります。
子宮頸管の炎症は、炎症除去を行います。
特に多い感染症であるクラミジアの場合は、抗生物質を投与による対処になります。
子宮頸管粘液分泌不全は、エストロゲンに影響されるので、その部分を改善する治療法として、エストロゲンの作用をブロックするクロミッド投与やHMG-HCG療法などがあります。
抗精子抗体の場合、タイミング法や人工授精・体外受精が選択される事により妊娠に導くことが多いです。
しかし抗体を作らないような工夫、膣内や子宮内に炎症を起こさないように、男性側の方にも精子にトラブルがないようにするような対処も必要となります。
比較的体外に近い部分にあるため、子宮頸管因子の検査方法もいくつか存在します。
排卵期に合わせて子宮頸管粘液を採取して、量や粘り気・結晶形成などをチェックする検査です。
性交後の子宮頚管粘液の中にある精子の状態を見る検査です。
クラミジア感染症を発見するための検査です。
尿や患部の粘膜などを採取して行う検査です。
フーナーテストの結果が何回受けても思わしくない時には、女性の体内に抗精子抗体の疑いがあるとして、この検査が行われます。
抗精子抗体は、血液検査で調べます。
これは、女性の血液を採取し、血清に健康な男性の精子を取り入れ、経過観察するという検査方法です。
これらの検査の元、頸管因子を分析できるのです。