不妊治療におけるタイミング法は、自然に任せるケース、排卵誘発剤などの薬剤の使用、そして注射と、それぞれの状態に合わせてさまざまな方法がとられます。
より妊娠の確率が高いとされるhCG注射が使われるのは、どのような場面なのでしょうか。
タイミング法とhCG注射の関係、さらにhCG注射の効果などについてまとめてみました。
どのような効果、効能、副作用があるのかを、十分に理解して利用することで、より効果的な妊活が行われるはずです。
hCG注射を使用するのは、排卵の直前です。
その目的は、大きく育った卵胞を確実に排卵させるためです。
注射をしてから24時間~36時間以内に排卵が促されるため、その時間にタイミングを合わせて性行為を持つと、妊娠する確率が高くなります。
hCG注射を使用すると排卵が促されますが、排卵された卵子、および射精された精子は、ずっと生き続けられるわけではありません。
射精後の精子の寿命はおよそ72時間で、その間に卵子と出会うことができれば、受精卵になることができます。
しかし、出会えなければ、精子たちはみな生存することができなくなります。
一方、排卵された卵子は、たった24時間しか生存することができません。
その限られた時間内に精子と卵子が出会うことで、受精、妊娠が成立するのですから、赤ちゃんが授かるということは、やはり神秘的な出来事といえるかもしれません。
受精が成立するためには、精子と卵子が出会うタイミングがとても大切になります。
卵子が卵胞から放出されるよりも前に、精子が卵子を待ち構えている状態が、最も効果的なタイミングとなります。
医師の指導でタイミング法にチャレンジしている場合、より正確な排卵日を予測し、超音波エコーで卵胞が十分な大きさに成熟していることが確認できたら、その日に性交渉を持つことを指示されます。
その日程に合わせて性交渉を行えば、精子と卵子が出会う確率が高くなります。
排卵すると思われる時間よりも少し前に性交渉を持つなどの工夫も、より妊娠の確率を高めると思われます。
ですが、あまり日時に縛られずに、リラックスした状態でチャレンジしましょう。
hCG注射を排卵直前に使用すると、注射後24時間~36時間後に排卵が起こります。
ベストタイミングは、hCG注射後の翌日と翌々日です。
より確実性を求めるなら、hCG注射をした当日も含めた3日連続ですが、体力的に厳しいという方も少なくありません。
3日連続、2日連続が厳しいという方は、hCG注射の翌日と翌々日、あるいは、注射の当日と翌々日にタイミングを合わせるようにしてみてください。
飲み薬によるタイミング法に5、6回トライしても結果が得られない場合、注射に切り替える病院が多いようです。
医師によっては、飲み薬と注射のダブルでの処方を勧めるケースもあります。
注射の方が、飲み薬よりも効果が期待できますが、その分リスクもあります。
hCG注射のリスクは双子、3つ子などの多胎妊娠、卵巣が腫れる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発症、また人によっては、副作用が出る可能性もあります。
また、筋肉注射ですから、強い痛みがあります。
使用するには、それなりの心構えも必要となるでしょう。
タイミング法で、より確実に妊娠をするためには、正確な排卵日を予測し、その日に合わせて性交渉を持つことです。
自己流でももちろんできますが、病院での指導の方が、排卵日の特定がより正確になります。
また、それぞれの状態に合わせた飲み薬や注射で、より妊娠確率を高めることもできます。
病院からは、「何日と何日にタイミングを取るように」などと指示されるため、それが負担になるという方も多いでしょう。
でも、それも待ち望んでいる赤ちゃんのためなら…と頑張る方もいらっしゃいます。
いくらタイミングを合わせたからといっても、精子や卵子の生存期間が思いのほか短いため、両者がうまく出会うことができなければ受精することはできません。
さらに、それぞれが不妊の原因を抱えている場合もあります。
まずは不妊の原因を突き止め、それに応じた不妊治療を受けることで、妊娠に一歩近づきます。
パートナーとよく相談しながら、悔いのない妊活をしましょう。