2017.07.03

体外授精(IVF)とは? 流れや費用、確率は?痛みはある?

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体外受精(IVF=In Vitro Fertilization)とは、子宮内から取り出した卵子を体外で受精させ、できた受精卵を培養した後に、子宮に戻して着床を促す不妊治療のひとつです。

体外受精は、希望すれば誰もが受けられるという治療ではありません。
タイミング法や人工授精では妊娠の見込みがないと判断された場合、また、パートナーのどちらかに、機能的な障害がある場合のパートナーが対象となります。

◆体外受精の費用はいくらかかるの?

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体外受精には、健康保険が適用されません。
全て実費支払いとなり、約10~100万円の費用がかかります。
排卵や採卵、胚移植の方法によって、費用は変わってきますので、事前に費用については確認しておきましょう。

 費用の目安
 ● 体外受精(採卵・胚移植含む):300,000円
 ● 培養:20,000円
 ● 胚凍結(4~5個):100,000円
 ● 凍結胚移植:100,000円

人工授精に比べて費用がかかるため、チャレンジするのを躊躇している夫婦も多くいますが、自治体によっては、体外受精の助成金を不妊治療の費用の一部を負担してもらえる場合もあります。
体外受精を考えておられる方は、お住まいの自治体に問い合わせるか、ホームページなどで確認してみてください。

◆体外受精の流れは?

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体外受精は、そもそも体の内部で起こる受精現象を、人工的に体外で起こさせるものです。

一般に体外受精と呼んでいるのは、媒精という方法で採ってきた卵に精子をふりかけ、精子が自然と入っていくのを待ちます。
受精し、受精卵ができて順調に分割したら、子宮に戻します。
体外受精は、卵1個に対して10万から20万匹の動いている精子が必要とされています。

 1. 排卵誘発/薬剤を活用し、卵胞を育てる。
 2. 卵子の採集/超音波で確認しながら卵胞から卵子を取り出す。
 3. 精子の採精/採卵の当日、自宅または医療機関で精子を採集する。
 4. 受精・培養・分割/培養容器内で卵子と精子を受精させて培養する。
 5. 胚移植/受精卵(胚)を子宮内に戻す (余った胚は凍結保存することもある)
 6. 妊娠判定/約1カ月後に妊娠検査を行う(妊娠していない場合、再び月経周期に合わせて凍結保存した胚・受精卵を移植)。

◆体外受精の成功確率はどれくらい?

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体外受精による妊娠の確率は、概ね20~40%といわれています。

妊娠率を左右するのは、移植する胚の数と患者さんの年齢で、移植する胚の数を多くすればするほど妊娠率は上昇します。
また年齢が若ければ若いほど妊娠しやすく、40歳以上になると、妊娠しにくいとされています。

妊娠の確率を上げるために、より多くの卵子を十分に成熟させて採卵するため、ホルモン薬(飲み薬と注射)で排卵をコントロールしながら行います。
ホルモン薬の種類や投与方法には、様々な方法があり、個々の卵巣の状態や患者様の希望に合わせて決定していきます。

◆体外受精の方法は主に3つ

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体外受精の方法には以下のようなものがあります。

 ●体外受精・胚移植(IVF-ET/ET=Embryo Transfer)
…受精後2〜3日ほど体外で培養したのち子宮に戻す。

 ●体外受精・胚盤胞移植(IVF-BT/BT=Blastocyst Transfer)
…受精後5〜6日程度培養して胚盤胞の状態まで受精卵を成長させてから戻す。

 ●凍結胚移植(FET=Frozen Egg Transfer)
…一時的に受精卵を凍結させ、ホルモン補充などで母体の子宮内膜を整えてから子宮に受精卵を戻す。

このほかにも、生理が始まる前から治療をスタートさせる「ロング法」という方法もあります。
どの方法を選ぶのかは、不妊治療を行っている医療機関で、じっくり相談しましょう。

◆体外受精って、痛みはないの?採卵後の過ごし方は?

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細いカテーテルを使って、受精卵を女性の子宮内に戻しますが、ほとんど痛みを感じることはありません。
処置の時間も数分で終わります。

移植後は数時間ほど安静にする必要があります。
受精から胚移植をして、その後数日間は着床をサポートするために、女性に黄体ホルモンの補充を行います。

気になるのは体外受精によるリスクですが、障害のある子どもが生まれる確率は、自然妊娠の場合とほとんど変わらないといわれています。

まとめ

タイミング法や人工授精、体外受精、顕微受精などの不妊治療を受けている人はすでに46万人(平成14年時点)を超えています。

日本産科婦人科学会によると、2013年に日本国内の医療機関で行われた体外受精(IVF)の治療回数は89,950回、出生数は4,776人。
また、体外にて受精したのち凍結した胚を移植する凍結胚移植(FET)は141,335回、出生数は32,148人。

つまり4万人に近い赤ちゃんが体外受精で誕生したことになります。

体外受精は、人工授精からステップアップした不妊治療ともいわれているだけに、人工授精に比べ受精の確率が高くなる分、妊娠する確率も高くなります。
不妊に悩む方にとって体外受精は、子どもを授かるための、貴重な治療法のひとつでといえるでしょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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