2017.06.30

【人工授精】とは?治療の流れ、費用、妊娠する確率は?痛みはあるの?

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◆人工授精(AIH)とは

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人工授精とは、男性から採取した精子を、細い管(カテーテル)を使って女性の子宮に直接注入して、精子を卵子に受精させる不妊治療法です。
卵子が受精しやすいところに精子を注入するため、ほぼ自然妊娠と変わらない状態で妊娠をすることが可能です。

人工授精には、精子の提供者によって二種類あります。

・配偶者間人工授精(AIH=Artificial Insemination by Husband)」
…配偶者が提供する精子を利用

・「非配偶者間人工授精(AID=Artificial Insemination by Donor)」
…第三者の精子を利用

◆人工授精の流れ

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医療機関や夫婦の状態によって、多少の違いはありますが、おおよそ以下のような流れで人工授精を行います。

1. 生理が始まったら、医師と夫婦で相談し、今周期に人工授精をするかどうかを相談。
2. 基礎体温や血液検査、エコー検査で排卵日を予測。
3. 排卵検査薬に陽性反応が出たら、夫は精子を採取し、医療機関へ提出。
4. 病院で精子を濃縮・洗浄、元気な精子を妻の子宮に注入。
5. 人工受精後、2週間ほどで妊娠しているかどうかが判明。

最近の人工授精では、精子が元気なものを選ぶほか、必要に応じて、排卵誘発剤の服用や、黄体ホルモンを助ける注射などによって、授精する確率も上がってきています。

また複数回行うことで、授精確率が上昇するという結果も出ています。

3. 人工授精の費用は?

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人工授精は自由診療扱いとなるため、健康保険が適用されません。
そのため、人工授精1回の費用は約2~3万円かかります。

費用については医療機関によって違うため、事前に確認しましょう。

また、人工授精の治療以外の飲み薬や注射代には、健康保険が適用されます。
ですから、受診する際には、健康保険証を必ず持参しましょう。

人工授精は、成功するまで何回か行います。
5回行えば、10万円~15万円くらいが必要になります。

4. 人工授精に痛みはある?

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人工授精は、排卵に合わせて精子を子宮へ注入するだけの処置なので、痛みや苦痛を感じることもほとんどなく、何度でも行えるといったメリットから、比較的手軽に行える不妊治療です。

処置の時間は数10秒から数分で終わり、痛みや苦痛を感じることはほとんどありません。
処置後は、30分ほど安静にしていれば帰宅することができ、その後の日常生活においても、とくに支障はありません。

5. 人工授精で大切なのはタイミング

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基本的な不妊検査によって、とくに問題がなければ、タイミング指導から不妊治療を始めることができます。
タイミング指導とは、排卵日をより正確に予測し、性行為を持つのに最適なタイミングを医師がアドバイスします。

タイミング法を何度か試し、それでも妊娠しない場合、人工授精に移行します。

6. 人工授精の成功率を高めるには?

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普通の日常生活にとくに支障もありません。
人工授精は、たくさんの精子を、子宮の中に直接入れるため、人工授精前に性行為を持たれると、精子が薄くなってしまうため、妊娠しにくくなります。

人工授精後の性交渉で、妊娠の可能性が高くなるといわれています。

7.人工授精のメリット・デメリット

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●メリット

1. 不妊治療として比較的容易に処置が行える
2. ある程度の妊娠率を確保できる
3. 繰り返し治療することが可能
4. 短時間で処置ができ、痛みなどの苦痛が少なく身体への負担が少ない

●デメリット

1. 自由診療となるため健康保険が使えない
2. 排卵誘発剤を使う場合、多胎やOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になりやすい(※子宮や卵管、腹腔内の感染を防ぐため、人工受精後、1~2日間の抗生剤の投与を行うところもあります)。
3. 夫婦生活に、医療が介入することへのストレス

まとめ

妊娠を希望しているのに、なかなか赤ちゃんが授からないと悩んでいる方は大勢います。
でも、くよくよと考えているうちに、どんどん妊娠の可能性は少なくなります。

妊娠率は、年齢とともに低下していくからです。

夫婦でよく話し合い、早めに専門医による不妊治療を受けることが、妊娠の近道です。
その治療法の一つが自然妊娠に近い人工授精です。

人工授精を5,6回繰り返しても妊娠しなければ、体外受精という治療法もありますので、いたずらに時間を過ごすことより、不妊治療と正面から向き合うことが、待望のあかちゃんを授かる最良の方法ではないでしょうか。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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