タイミング法では結果が出ず、次は人工授精を検討中…
人工授精という響きから、いっきにハードルが上がったような気になります。
ここでは、年齢別成功率と、より成功率を高める方法をご紹介します。
治療だけでなく、日々の生活から妊娠確率を高める努力をしましょう。
不妊治療の一環で、タイミング法の次のステップとして取り入れられる「人工授精」。
人工授精は、タイミング法よりも妊娠確率が高く、人の手を介した治療ですが、受精から妊娠に至るまでは自然妊娠と同じ流れです。
挑戦するからには、成功させたいと思うのは誰もが願うこと。成功率をあげるためのポイントをしっかり抑え、万全の体制で人工授精に挑みましょう。
20代の体は、女性ホルモンの分泌量が最高潮に達し、ホルモンバランスが安定するため、最も自然妊娠する確率が高い年齢です。
そのため、卵子の質や卵巣の状態が良く、人工授精での妊娠確率も高くなります。
とくに20代の後半は、仕事や金銭面でも余裕ができ、心身ともに安定します。
体だけでなく、まわりの環境も整うので、妊娠するのに最も適した時期です。
人工授精は、1回目の成功率が最も高く、回数を重ねるごとに成功率は低下します。
医師と相談しながらある程度の回数で目途をつけ、次の治療法にステップアップするのも妊娠確率を高める一つの方法です。
30代に入ると20代と比べ、妊娠力や体力が落ちるため卵子の質や数も低下し、人工授精の成功率も下がります。
また、35歳を過ぎると妊娠確率は急激に低下します。
30代といっても、前半と後半では、成功率に大きな差がでるので早めに治療を検討しましょう。
30代の後半では、不育症や流産などの妊娠リスクが高まります。
人工授精が成功し、妊娠できたとしても、生活改善や仕事のペースを見直し、常に体の調子を気にかける必要があります。
40代になると、妊娠力の急激な低下や卵子の老化などの理由から、受精障害や着床障害、子宮状態の悪化を引き起こすため、人工授精の成功率が下がります。
人工授精は受精をサポートする治療であり、卵巣や子宮に異常がある場合、受精卵が育たないため妊娠は成功しません。
人工授精での妊娠が難しければ、早めに体外受精や顕微授精へのステップアップを検討しましょう。
40代での妊娠は、流産などの産科的リスクが高まるだけでなく、胎児異常のリスクも高まります。
母子ともに問題ない出産をするためにも、40代での不妊治療においては迷っている余裕はありません。
人工授精の治療後、状態によっては、黄体ホルモンの補充を受けます。
黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くし、着床しやすい子宮環境に整える働きが期待できます。
通常、黄体ホルモンは女性の体内で自然に分泌されるホルモンです。
黄体ホルモンの値が低い場合のみ、黄体ホルモンの補充を受けます。
黄体機能が低下していると、妊娠率も下がります。
黄体を補充して妊娠しやすい体環境を維持することで、着床率を高め、妊娠をサポートします。
季節関係なく、常に体を温めることが大切です。
体を温めることで、血行が良くなり、体中に栄養や酸素が行き渡りやすくなります。
そのため、子宮や卵巣の状態も良くなり、正常な働きが期待できます。
人工授精後の着床や受精卵の成長を促すためにも、体が温かいことは重要なポイントです。
とくに下半身を重点に温めると効果的です。腹巻きや靴下、カイロなどを利用し、常に温かい状態を保ちましょう。
ショウガなどの体を温める効果がある食材を摂取するのもおすすめです。
夏場、冷房の効いた部屋での薄着や、冷たい飲み物の過剰摂取などには注意しましょう。
年齢が上がるほど、成功率は下がります。
これは、卵子の老化や数の減少、子宮や卵巣機能の衰えによる妊娠力の低下が原因です。
各々個人差はありますが、自然の成り行きのため、止めることや、治療する方法はありません。
不妊治療は、あくまでも妊娠をサポートするためのもの。
年齢による、妊娠力の衰えはどうすることもできません。
とくに35歳を過ぎたあたりから、妊娠力は急激に低下します。
したがって、成功率も急激に下がります。
人工授精に挑戦するのなら、1日でも早く治療を開始することが、何よりも成功率を高める方法です。
不妊治療を成功させるには、病院選びも大切です。
通院を検討する前に、目星をつけた病院の情報や口コミをホームページや掲示板などでチェックするようにしましょう。
とくに、SNSやブログでは通院している側目線からの情報を得ることができます。
できるだけ不安を軽減するためにも、下調べは大切です。
成功率の高い病院を選ぶときのポイントは、不妊専門の先生がいることや最新の設備が整っていること、不妊治療専門病院であることなど。
こういった病院では、不妊治療に関しての知識や経験が豊富な先生に診てもらうことができ、人工授精・体外受精・顕微授精など高度な技術が必要な治療も受けられます。
的確なアドバイスやスムーズな治療は、成功率アップにつながります。
タバコは、精子の質を低下させるため、できるだけ吸わないように心がけましょう。
タバコに含まれるニコチンやシアン化合物、一酸化炭素などの化学物質は、卵子だけでなく精子にも悪影響。
精子の濃度や運動率を低下させ、精子自体の数も減少させます。
人工授精は、男性から採取した精子を女性の子宮に直接注入し、受精を手助けする治療方法です。
元気な精子が注入できれば、受精を促し妊娠確率をより高めます。
妊活をするにあたり、女性の禁煙はもちろん、男性も禁煙することが大切です。
人工授精の際に注入する精子は、安心や安全性を高めるためにも、病院で採取するようにしましょう。
できるだけ元気な精子を注入するためには、採取してから注入するまでの時間が短いほうが効果的です。
自宅で採取しそれを持参することも可能ですが、成功率を高めるためには病院での採取をおすすめします。
精子は当日の3時間から4時間以内に採取したものを使用します。
採取した精液は一度洗浄され、質のいい精子だけを濃縮。
できるだけ受精しやすい状態にして、子宮内に取り込みます。
後日正常に受精し、着床していると判断できれば妊娠確定です。
治療は女性中心にはなりますが、男性も妻と一緒に病院へ通う努力をすることが大切です。
ついて行っても何も役に立てない、邪魔になるだけという考えは大間違い。
人工授精は人の手を介して行う治療法。とくに初めてのときは、痛みや怖さに加え、これで妊娠できるかなといった不安でいっぱいになります。
女性にとって不妊治療は、常に不安との戦いです。
医師からのアドバイスや治療方針を一緒に聞いてくれるだけでも、女性の不安は軽減されます。
また、医師からの話を共有することで、妻にしてあげられることや自分自身が取り組めることが明確になり、妊活に対しての協力体制が生まれます。
夫婦が協力し合うことは、より前向きな妊活につながり成功率を高めることにもつながります。
不妊治療に対して、正しい知識を持っている人は、意外と少ないのが現状。
とくに、男性はどこか女性任せというところがあり、不妊治療に対して理解が乏しいです。
妊娠確率を高めるためにも、まず、夫婦で知識を共有することが大切。
夫婦それぞれが、不妊治療を乗り切り、元気な赤ちゃんを授かる姿が想像できていることが、前向きな妊活をするためのコツです。