女性であればどんなタイミングであれデリケートゾーンからの出血は不安になりますよね。
これが体外受精後となるとまた不安にかられてしまうもの。
移植した後に起こった出血について、出血のパターンや出血に関して注意したいものを見ていきましょう。
移植後にみられる出血の理由として、妊娠の可能性があるのか気になりますよね。
妊娠を知らせるときに「着床出血」があることはご存じかと思いますが、これについても個人差があり、出血する人もいればしない人もいるのです。
また、妊娠できず生理がきている場合もあります。
出血の色や量、出血している期間の長さでも移植後に出血がなぜ起こっているのか読み取れるものもあります。
少しでも不安を緩和できるようにどのようなタイプがあるのか、その原因などを探っていきましょう。
体外受精をした後にはさまざまな変化が体に起こります。
出血もそのうちのひとつで、心配のない出血も中にはあるのです。
不妊治療をしていると、出血すると流産したのではないかというイメージに直結しやすいため、不安に駆られてしまうこともわからなくもありません。
しかしながら、理由がわからないということは不安ですよね。
まず考えられる原因としては移植の際の刺激による出血です。
体外受精で胚移植をしてすぐに出血があった場合などは、ほとんどがこの刺激による出血です。
この出血は一般的には数日間で治まりますので心配しすぎないようにしましょう。
体外受精の場合、膣内を消毒したりカテーテルを挿入したりする際にどうしても外的刺激によって小さな傷ができてしまい、そこから出血していると考えられます。
自然妊娠の場合も起こる出血で、受精卵が着床するときに出血する場合があり「着床出血」と呼ばれていますが、体外受精の場合でもおこることがあります。
またこの着床出血は自然妊娠などに関わらず個人差があり、おこる人とおこらない人がいますし、一人目のときはあったのに二人目のときはなかったなどさまざまです。
特徴としては体外受精の場合、胚移植をおこなってから数日後にごく小量の出血や茶色っぽいおりものが出ている場合には着床出血と考えられる可能性があります。
こちらもほとんどが数日で治まります。
また注意したいこととしては、妊娠判定が出た後に出血した場合には着床出血ではありません。ですのでほかのことが原因として考えられます。
もし妊娠判定後に出血があった場合には原因を特定する必要があります。
もしも無事に着床していたとしても、「化学流産」という妊娠が継続できなかった場合に起こる出血があります。
ちなみに化学流産は、自然妊娠の場合も含めて全妊娠の45%で起こりうるものです。
他にも子宮外妊娠の可能性も考えられますので、妊娠判定後に出血があった場合には早急にかかりつけの病院に連絡をして医師の判断に従ってください。
着床しなかった場合にも出血します。
生理がくるわけですが、体外受精の場合ホルモン剤を使い治療をおこなっているため、女性ホルモンに影響が出たり着床するための子宮内膜をしっかり厚くする役割をしてくれていますので、生理の周期がいつもと変わってしまい遅くなったり、生理が重くなるという方もいます。
生理の周期が変わって生理が遅くなると、実は妊娠しているのではないかと思ったり、妊娠判定では陰性だったのになぜかいつも通りに生理が来ないなど、さまざまな思いにかられてしまいますが、生理の周期はホルモン剤やストレスなどの要因で遅れることもあるということは頭の片隅においておくとよいかもしれません。
また生理が重くなるというのは、妊娠のためにしっかりと厚みのある子宮内膜にするためにホルモン剤での治療をしていますが、着床しなかった場合生理で不要となった子宮内膜ははがれます。
ですので、いつもよりも血液量も多く、はがれるものもいつもより厚みがあるので生理痛が重くなるのも、生理の血液量が多くなってしまうことも仕方のないことではありますので、生理痛を予防する方法を試したり、不安があるのであれば医師に相談してみるというのもよいでしょう。
体外受精後の出血には生理と同じくらい出血する場合もあります。
明確な量や色など目安はないといったほうがいいかもしれません。
こればかりは本当に個人差があり、
「通常の生理と変わらなかった」
「ごく少量の茶色っぽいおりものが出ただけ」
「ナプキンまではいらないが少し出血があった」
など、経験した方の意見を見ても、個人差があるというのがわかります。
着床出血があるのが、生理予定日の数日前から生理予定日ごろといわれています。
生理による出血か着床出血かわからず勘違いしてしまうというケースもとても多いです。
出血の量もですが、出血している期間についても個人差があります。
長引いていたとしても妊娠している可能性があるのです。生理のように3~5日出血が続いたという人もいます。
そういった方はやはり生理だと思ってしまったようですが、もし基礎体温をしっかりつけているようであればその変化から見分けることが可能です。
また、「基礎体温の高温期が続いているのか」「高温期から低温期に変化したのか」という項目から見極めることができます。
妊娠している場合は高温期が継続していますし、妊娠が成立していない場合(生理の場合)は約2週間ほどで高温期が終わって低温期に体温が下がるのです。
ですので生理のように期間が長くても基礎体温を見て、高温期が続いているようなのであれば着床出血である可能性があります。
判定日以降に出血が続く場合には原因を早急に特定したほうがいいため、かかりつけの病院に連絡しましょう。
少量の血液ならばちょっとした刺激から起こる出血も考えられます。
特に注意したいのが、下腹部に痛みがあり、だらだらと継続したような出血です。
また判定日に陽性が出ても化学的流産の可能性も出てきます。
この化学的流産ですが妊娠の反応は陽性で出ますが、超音波で子宮内に赤ちゃんの入る袋が確認される前に流産してしまうことです。
何の異常がなくても、自然妊娠・体外受精などの人工妊娠であっても高い確率でおこっています。
これに関しては誰のせいでもありません。
そして母体に問題があったのではないかと悩んでしまう方もいるのですが、あくまでも化学的流産は妊娠成立前におこるものですので、日本産科婦人科学会の定義では流産の回数には含めません。
自然妊娠と同様に着床までの期間を安静に過ごさなければならないというものではありません。
生活での動きや運動の程度と妊娠率との間には関連性は認められないということがアメリカ生殖学会から発表されていますので、日常的におこなっているウォーキングなどを行うのはよいでしょう。
しかしあまりにも激しい運動や、血圧を過度に上げてしまうようなトレーニングなどは好ましくありませんので、ストレス発散のためにも外に出たり普段どおりの生活をすることが大切です。
体外受精の場合「排卵誘発剤」という薬を投与しています。
この薬の副作用によって「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」といった症状が現れる可能性が。
移植後にお腹の張りや吐き気などの体調がすぐれない場合には、妊娠判定日を待たずにかかりつけの病院を受診してください。
体外受精で胚移植をした後は、過ごしかたなどで妊娠率が変わるものでもありません。
妊娠に向けてリラックスしながら「気にしすぎず、考えすぎない」ことが大切です。
出血があると不安になることもあるかもしれませんが、痛みがあったり量があまり多い場合を除いては考えすぎないように過ごしましょう。
気になることがあったり不安があるのであれば、かかりつけの病院に相談してみるのが一番よい方法です。