最近では、女性の社会進出が著しいことから、晩婚化がとても進んでいます。
そんな背景も後押しして、人工授精の症例はどんどんと増えています。
今では、決して珍しくなくなった人工授精。
果たして、性別までも人工的に操作できるのかを見ていきましょう。
人工授精は人為的に受精させるので、自然妊娠とは異なります。
自然妊娠の場合、性別は50%の確率で決まります。
これは自然の力による、まさに授かりものなので、どうしようもありません。
もちろん産み分けは存在していますが、必ずしも成功するわけではありません。
これに対して人工授精は、人為的に受精させる方法となり、性別の操作も可能なのではと思う人も多いでしょう。
しかし、人工授精の場合も受精が成功したあとに子供の性別が判明します。
つまり、人工授精の場合であっても子供の性別を自由に選べるわけではないのです。
子供の性別は、染色体によって決定します。
卵子にはXの染色体が2本あり、精子にはXとYの2種類の染色体があります。
この4本の染色体の組み合わせによって、子供の性別は決まるのです。
とはいっても、卵子の染色体はどちらもXなので、性別を決めているのは精子です。
XとY、どちらの精子が受精するかによって、子供の性別が決定されます。
X染色体が受精すれば女の子、Y染色体が受精すれば男の子です。
性別が決まる仕組みがここまでわかっているので、産み分けをするためには、この染色体を上手に操作できればいいといえます。
現在は、100%確実に産み分けることはできませんが、自然妊娠においても産み分けを行えば、70%ほどの確率で成功するといわれています。
人工授精で男の子が欲しい場合、男の子が生まれやすい排卵日当日の人工授精がおすすめです。
これはY染色体に有利な環境を作るためで、排卵日当日は男の子が生まれやすいタイミングといえるのです。
排卵日に近付くと、女性の体内は酸性からアルカリ性になっていきます。
Y染色体はアルカリ性に強く、X染色体はアルカリ性に弱いので、男の子が生まれやすくなります。
ちなみに、自然妊娠で女の子を産み分ける場合、排卵日の3日ほど前にタイミングをとることが一般的です。
こうすることで、X染色体が活動しやすくなるようにして、女の子ができやすい状況を作るのです。
しかし、人工授精の場合には、そのほとんどが排卵日当日に行われます。
これは受精できる可能性を高くするためですが、同時に、男の子が生まれやすくなる環境を作っているといえます。
人工授精では、排卵日に受精することが多いことから、男の子のほうが生まれやすいといえます。
しかし、パーコール法という方法を使えば、女の子を産める可能性が高くなります。
パーコール法は、かなり高度な技術を必要とする方法です。
精子の中のX染色体とY染色体を選別して、女の子が作られるX染色体を取り出し、受精させるのです。
パーコール法は、1996年から2006年まで禁止されていましたが、現在ではいくつかの病院で実施されています。
この方法では、パーコール液の中に精子を入れて、遠心分離機でX染色体とY染色体を分離させていきます。
そして、分離されたX染色体を子宮内に注入していくのです。
しかしここで、完全に染色体を分離させることは不可能とされています。
パーコール法による女の子産み分けの確率は70%ほど。
女の子が生まれやすいとされるパーコール法ですが、決して100%成功するというものではありません。
自然妊娠での産み分けでも使われるのが、産み分けゼリーです。
ピンクゼリーやグリーンゼリーと呼ばれるゼリーを、膣内に入れることによって、産み分けをしていく方法です。
このゼリーは、膣内の環境を人為的に操作するものです。
女の子を産み分けするピンクゼリーは、酸性に近い環境。
そして、男の子を産み分けするグリーンゼリーは、アルカリ性に近い環境を作るのです。
こうして、それぞれの染色体の特性に合った環境を作ることで、希望の性別を授かりやすくします。
このゼリーを用いた方法でも、産み分けの成功率は70%ほどとされています。
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自然妊娠における男女比率は、105対100とされています。
つまり、男女どちらのほうがより多くなるのか、その差はほとんどないのです。
若干男の子の比率のほうが高いですが、それでもこの数字を見るとあまり大差がないことが分かります。
こうして、世界の男女比は、ほぼ均等になっているというわけです。
人工授精においても、性別の比率にほとんど変わりはありません。
自然妊娠でも人工授精でも、男の子と女の子の割合は、ほぼ50%ずつとなっているのです。
50%の確率ならば、2分の1で希望の性別の子供を授かれることになります。
しかし、これはあくまでも統計なので、中には男の子ばかりや女の子ばかりを妊娠する人も見られます。
その理由は体質などではなく、確率の問題といわれています。
全人口から見れば、男女比はほぼ互角なのです。
人工授精による産み分けには、いくつかのデメリットがあります。
まず、必ず希望の性別を授かれるわけではないということ。
産み分けをすると、なんとなく高い確率で、希望の性別の子供を授かれる気になってしまうものです。
しかし現実には、希望の性別の子供を授かれる確率は70%ほどなので、希望の性別ではない子供を授かることもあるのです。
希望の性別の子供ではないからといって、妊娠を中断したり子育てを放棄したりなどの選択肢はありません。
そこで、たとえ希望の性別の子供でなかった場合でも、しっかりと愛して育てていける自信がなければ、産み分けはできないのです。
人工授精において、女の子を産み分けられる可能性が高いパーコール法。
女の子を切望している両親にとっては、ぜひとも実践したい方法といえるでしょう。
しかし、パーコール法は、かなり高度な技術を要するため費用の負担も大きくなります。
1回の人工授精に付き、50,000円ほどかかってくるのです。
しかも、1回の人工授精で成功すれば問題ないかもしれませんが、なかなかそうもいきません。
これが何度もとなってくると、家計を大きく圧迫することにもなりかねないのです。
また、人工授精1回における妊娠成功率は、5~10%ほどといわれています。
さらに年齢によっても、この確率は大きく変動してきます。
年を重ねれば重ねるほど、成功率は下がってきてしまうのです。
すると、パーコール法にかかる費用も、どんどんと増えていきます。
この確率も頭に入れたうえで、パーコール法を検討していくといいでしょう。
産み分けというと、倫理的な問題があるといわれることもあります。
もともと、天からの授かりものとして、決定されるはずだった子供の性別。
その性別を人為的に操作するということは、倫理的に間違っていると考える人もいるのです。
しかし現代は、どんどんと医療の技術が進んで、より安全な方法が確立されているため、倫理は個人の問題ともいえるのです。
産み分けに倫理的な問題があると考えてしまうのならば、産み分けは行うべきではないかもしれません。
これから一生、子供とともに人生を歩むわけですから、悔いのない方法を選んでいきましょう。
産み分けは、どの病院でも行っているというわけではなく、実は行っている病院のほうが、圧倒的に少ないのです。
特に地方の病院では、産み分けは全く行っていないというところが多くなっています。
産み分けを希望するのであれば、まずは請け負ってくれる病院を探すことが、先決なのかもしれません。
産み分けは、自然妊娠においてもいえますが、人工授精においてはもっと大変です。
人工授精自体、行える病院が大変限られてくるのです。
そんな数少ない病院の中から、産み分けをしてくれる病院を探していく必要があります。
どうしても産み分けをしたいという場合には、インターネットでしっかりと下調べをしていきましょう。
また、実際に病院へ電話して、事前に確認をすればより確実です。
産み分けができる病院があったとしても、予約がなかなかとれないということも多くあります。
もともと、数が少ない病院ですから、受診希望者が殺到してしまうのです。
そのため、人工授精での産み分けを希望してから、実際に受診できるまでには、かなりのタイムラグが出てしまうことも少なくありません。
よって、なるべく早く子供が欲しいという場合には、ぜひ一日でも早く病院を探して予約していきましょう。
特に人気の高い病院は、予約自体が難しいことも少なくありません。予約に関しても、しっかりと下調べをしていくとよさそうです。
人工授精でも、子供の性別を産み分けることは可能です。
しかし、その確率は決して100%ではなく、70%程度にとどまります。
そうした確率もしっかりと念頭において、それでも産み分けをしたいと思うなら、ぜひ早いうちから行動していきましょう。
人工授精での産み分けの最初の難関は、病院探しです。数少ない人工授精をしてくれる病院の中から、産み分けをしてくれる病院を探し出さなければならず、とても骨の折れる作業といえます。
さらに予約することも、容易ではありません。
人工授精での産み分けを考え始めたら、まずは早めに病院を探して予約をしていきましょう。
これが成功してこそ、産み分け成功の第一歩といえるのです。