タイミング法とは、妊娠しやすい排卵の時期に合わせて夫婦生活をする治療法です。
卵子と精子には寿命があるため、妊娠するには卵子と精子がタイミングよく出会うことが必要になります。
タイミング法の基礎知識や成功率を知り妊活に活かしましょう。
通常の夫婦生活を送っていながら、赤ちゃんを授かれないことは珍しいことではありません。
心身ともに健康な男女の妊娠の確率は1周期で約20%の確率です。
年齢が上がっていくにつれて妊娠できる確率は下がっていきますので総合的にみても妊娠するのは簡単なことではありません。
そんな背景もあり、妊娠しやすい身体にするべく妊活に取り組む夫婦や、不妊治療にあたる夫婦も多いです。
どちらにしても最初に取り組むことになるのがタイミング法です。
これは、不妊治療の中でもっとも自然妊娠に近い形で妊娠が可能なものです。
まずはタイミング法を自分でトライしたい場合、毎朝、基礎体温計で基礎体温を知ることで妊娠しやすい時期、排卵日を確認できます。
ベストな時間帯は朝、起床したときです。
毎日同じ時間に測る必要があります。
測り続けると低温気から高温期に上がる分かれ目のような時期がわかります。
目安は低温気最終にぐっと体温が下がる日で、排卵はこの最低体温日の前日から高温期になるまでのどこかで起こるとういわれています。
そのため基礎体温を毎日計測し体温の変化をしっかり見極めることが大切です。
自宅でタイミング法を行うのは費用がかからないのがメリットですが基礎体温表に、排卵検査薬か子宮菅粘液チェックのいずれかを組み合わせるとより予想がしやすくなります。
自己流でタイミング法をするのは3回までにしてそれでも妊娠できなければ、なるべく早く受診をしましょう。
自己流でタイミング法をするより病院で医師に指導を受ける方が、より正確な排卵日の予測ができます。
卵胞の状態によっては、排卵誘発剤の服用や注射が必要になる場合もあり、病院によっては排卵検査薬を使用するケースもあります。
男女ともに特に問題がなければ、正確にタイミングをとるだけで妊娠率は向上します。
タイミング法で排卵日を考慮して夫婦生活を行うというだけなので妊娠へ至る過程は自然妊娠と同じです。
タイミング法は保険適用となるため、1回あたりの受診料は2,000円~3,000円、1周期で1万円程度という病院がほとんどです。
ただし、卵の大きさを確認する超音波検査が月2回以上となった場合は保険対象外となるので1回あたり4,000円程度になります。
卵の成長が遅い場合や不規則な場合には、排卵日を見誤らないように何度も通院して検査する必要があります。
タイミング法の期間は治療効果が期待できるとされる半年~1年くらい、回数の目安は6~12回といわれています。
「2人の不妊原因は、この治療方法で乗り越えられる問題なのか」徹底検査するつもりで受けてみることをおすすめします。
それでも結果が出なかった場合、妊娠率が厳しいことを承知の上でタイミング指導を続行するか、この治療では乗り越えられない隠れた不妊原因があると考えて人工授精にステップアップするかは、価値観が大きく変わってきます。
夫婦と担当医とでよく相談して決めましょう。
不妊とは、自然な状態で妊娠に至れないか、妊娠を一定期間以上維持することができない状態を指します。
WHO、日本産婦人科科学会ともに「1年間の赴任期間を持つもの」と定義しています。
医師のサポートを受けながらタイミング法を勧めた場合、自分で基礎体温をチェックしながら排卵日を予測するよりも妊娠する確率は上がります。
実際に不妊治療を行った夫婦の約3分の1がこの方法で自然妊娠に至っています。
妊娠できた方の周期別の成功率は1周期目で約20パーセント、3周期目までには約4分の3が妊娠しています。
さらに5~6周期目までには約90パーセントが妊娠するようです。
妊娠するためには夫婦ともに健康でなければいけません。気を付けるのは規則正しい生活をすること。とくに睡眠不足や栄養不足は、ホルモンバランスを崩す原因となるため注意しましょう。 また、排卵日にこだわりすぎて夫婦生活を義務化してしまうと、お互いストレスをためることになって逆効果です。相手の気持ちを尊重し無理のないようにしましょう。
タイミング法で重要になってくるのが排卵日なので勘違いしてしまう場合がありますが、妊娠しやすい日にちは排卵当日ではありません。
正確には、排卵日2日前が最も妊娠率が高いといわれています。
この排卵日の2日前がよい理由は、卵子がまだ排卵されなくても精子は48時間くらいであれば元気な状態でいることができ、1日遅れるくらいなら卵子を待つことができるためです。
新鮮な卵子と巡り合うことができるのも理由の1つに挙げられます。
元気な状態で卵子と精子が授精できるのは後に赤ちゃんの成長にもかかわってくることがあるので、大切なポイントです。
タイミング法の確立を上げるために、妊娠しやすい身体を作っておくことも大切です。
取り組みやすいのは妊娠力を上げてくれる栄養分の摂取です。
例えば葉酸は、赤ちゃんの健康に関係があるので妊娠中も摂りたい栄養素です。
妊娠する前から初期にかけて適量(0.4mg/日)接種することにより、胎児の神経管閉鎖症(二分脊椎など)の発症リスクを低減するといわれています。
また栄養素は他にもあり、鉄分や亜鉛も積極的に摂れるといいです。
鉄分は貧血防止や子宮の環境を整えてくれますし、亜鉛は女性ホルモンの分泌に働きかけてくれるだけではなく、男性が摂取すれば精子の質を高めてくれます。
カルシウム、ビタミン群も妊娠前から欠かせません。
必要な栄養素はまだまだありますが、たくさんとればよいわけではないので、量を守り適度に摂取することが大切です。
子供が欲しくて始める不妊治療ですが、一生懸命になるほど周りが見えなくなるということも少なくありません。
夫婦円満でいるためにタイミング法で気を付けたいことを紹介します。
いくら医療機関で指示されたとはいえ、他人から指定された日に夫婦生活を持つということにストレスを感じてしまう人も少なくありません。
女性にとって、月に1回のチャンスということもあり、ついつい意気込みすぎたりご主人が圧力を感じ、夫婦生活を行わなければいけないというプレッシャーから不妊EDになってしまう傾向もあります。
男性の不妊EDだけでなく女性の心の負担も大きくなってしまうほどデリケートな問題です。
夫婦生活は子供を迎えるための行為でありますが、お互いの愛情を確かめ合う機会だということも忘れないようにして義務的にならないように普段から夫婦の時間を大切にしたり、ムードを盛り上げる工夫をしたりしていきましょう。
タイミング法では、あまり躍起になるのは逆効果です。
やはり心の健康があってこそ妊娠は叶います。
不妊治療を行っているということは、珍しいことでも恥ずかしいことでもありません。
アプリ等のツールを使って基礎体温管理の負担を減らしたり、たまには夫婦で妊活を忘れて遊びに行ったりすることもおすすめです。
結果に一喜一憂せず他人と比べないようにすることも大切です。
心の健康を一番に考え、夫婦ともに気遣いを忘れずに過ごしながら妊活を進めていきましょう。