2017.07.06

【初めての不妊症検査】何をするの?流れは?費用は?

ARTICLE

妊娠を望んでいるカップルの6組に1組が不妊に悩んでいるといわれています。

日本産科婦人科学会は「妊娠を望む健康な男女が、避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しない」ことを「不妊」と定義しています。
望んでいてもなかなか妊娠できないときは、不妊検査を受けてみることも必要です。

不妊検査を受けられるのは、不妊外来のある病院の産婦人科か、不妊治療専門のクリニック、泌尿器科です。
不妊の原因は、女性側に何らかの問題があると思われがちですが、男性側と女性側の比率はほぼ同じですので、夫婦ともに検査を受けることをおすすめします。

◆女性の不妊検査の内容と流れ

kensa.jpg

問診によって、生理の状態や過去の妊娠・出産経験、生活習慣、これまでにかかった病気の有無などを調べます。
触診(内診)では、膣や子宮、卵巣の状態や痛みがあるかどうかをチェックします。
問診・内診のあとは、基本検査を行い、その結果何らかの異常が疑われる場合にはさらに精密検査を受けます。

基本検査の内容

● 超音波検査:膣内にプローブという器具を入れ、子宮・卵巣の状態をモニターに映し出し、子宮筋腫の有無や、子宮内膜の厚さなどを検査
● ホルモン検査:血液中のホルモン値を測定することによって、排卵障害の原因や黄体機能不全などの有無などを検査
● 子宮卵管造影検査:膣から子宮口にカテーテルを入れ、X線撮影を行い、卵管に詰まりがないかなどを検査
● 卵管通気検査・通水検査:カテーテルを子宮に入れ、炭酸ガスや生理食塩水を注入し、卵管の通り具合を検査
● フーナーテスト:性交後の子宮頸管粘液を採取し、精子が頸管内に入っているか、良い状態の精子がどれくらいあるかを顕微鏡で検査

◆女性の不妊、精密検査の内容

● 子宮鏡検査:子宮腔内の異常が疑われる場合に、内視鏡で子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫などを検査
● 腹腔鏡検査:おなかに小さな穴を2~3か所開けて、腹腔鏡で卵管や卵巣の癒着の有無などを検査
● 子宮内膜組織検査:排卵後に子宮内膜を採取し、着床に適している状態かを検査
● 抗精子抗体検査:基本検査のフーナーテストで精子が見つからなかった場合、女性の血液中に抗精子抗体がないかどうかを検査

※女性の場合は、生理周期に合わせて不妊検査を進めるため、検査を一通り受け終わるまでに1~2か月かかると考えておきましょう。

◆男性の不妊検査の内容と流れ

kensa02.jpg

不妊検査は、妊娠できない原因を調べるための検査で、結果によって不妊治療が必要かどうかを判断します。
男性の場合は、女性と一緒に産婦人科の不妊外来を受診するか、より精密な検査が必要な場合は泌尿器科で受けることになります。

基本的な検査は精液検査で、クリニックで採取した精液、または男性自身が持参した精液を顕微鏡で観察し、精子の動きや数、奇形率などをチェックします。
その後、必要に応じて泌尿器科で精密検査を受けることになります。

◆男性の不妊、精密検査の内容

● ホルモン検査:精液検査の結果があまり良くなかった場合、採血し、精子の産生に関わるホルモンの数値を検査
● 精巣生検:精液検査の結果、精子が全くない「無精子症」などと診断された場合に、顕微鏡で精巣の機能を検査
● 染色体検査・遺伝子検査:無精子症や重度の乏精子症の場合、採血して染色体や遺伝子について詳細に検査

◆不妊検査の費用は?

money004.jpg

不妊検査の費用は保険が適用されず、自己負担になってしまう場合があります。
なかには保険が適用されるものもありますが、医療機関によっても金額が異なります。

一般的には、初診時に問診や超音波検査などの基本的な検査を受けた場合、7,000円~1万円程度です。
2回目以降の検査については、検査内容によって費用に幅がありますが、1つの検査につき数千円から1万円程度かかると考えておきましょう。

女性の腹腔鏡検査や男性の精巣生検など、数十万円程度の費用がかかる精密検査もありますので、検査の内容・費用については、病院に確認してみてください。

不妊の悩みはデリケートな問題だけに、友達やパートナーにも相談できない人が多くいます。
「いつかそのうちできるはず」と思っているうちに、年齢を重ねてさらに妊娠しにくくなってしまった、というケースも少なくありません。

自分の年齢も考慮して、半年~1年間ほど不妊に悩んだときは、一度不妊検査を受けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

妊娠しない理由は、女性一人だけの問題でも、男性だけの問題ではありません。
まずは夫婦二人で話し合い、協力しながら妊娠できない理由を改善していくことが大切です。

努力を積み重ねてもなかなか子どもを授からないと「不妊の原因を突き止めたい」と思うものですが、不妊検査をしても特に異常が何も見つからないケースが10~20%あります。

まず不妊の原因を見つけ、それに合わせた妊活に取り組みましょう。
タイミング法や人工授精や体外受精、顕微授精など、さまざまな不妊の治療法があります。
年齢や、金銭的な負担も考慮したうえで、パートナーや医師とよく相談しましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。