体外受精に失敗してしまうと、どうしても気分が落ち込んでしまうものですよね。
心身共にダメージが大きく、これまでの労力や期待が報われず、つい考え込んでしまう方もいらっしゃいます。
しかし、次の体外受精に向けて、気持ちを切り替えなければなりません。
体外受精に失敗してしまう原因、失敗したときに起こる症状、失敗を乗り越える方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
しっかり心構えをして、成功に向けて出来る事を実践していきましょう。
体外受精に失敗する理由として考えられることは色々とあります。
具体的には、どのようなことが考えられるのでしょうか。
体外受精の失敗原因として考えられることを1つずつ見ていきましょう。
黄体ホルモンの分泌が不足していることが原因で、体外受精に失敗することがあります。
黄体ホルモンは脳下垂体から分泌されるもので、排卵を促す働きや、排卵後に残った卵胞を黄体化させる働きがあるホルモンです。
黄体ホルモンの分泌が不足するなど、黄体がうまく機能しなくなる状態になることを「黄体機能不全」といいます。
黄体機能不全により着床の準備がうまく整わないと、妊娠することが出来ません。
最近は晩婚化傾向にあるので、加齢による卵子や精子の質の低下が原因の不妊も増えています。
卵子や精子が老化して質が低下することは、体外受精の成功率を下げる原因になるのです。
卵子が老化すると、成熟しないなどの問題が起こることがあります。
卵子の老化だけでなく、精子の老化も不妊の原因になります。
精子が老化すると、精液の量や精子の数が少なくなったり、精子の運動率が低下するので、精子が卵子まで到達できなくなり、妊娠率が下がってしまいます。
卵管や子宮に問題があることが原因で、卵管通過障害、排卵障害、子宮内腔異常などが起こり、体外受精の成功が拒まれるころもあります。
卵管の問題(卵管通過障害・ピックアップ障害など)は、女性の不妊の原因の中でも特に多いです。
また、クラミジア感染や子宮内膜症、子宮筋腫が原因で不妊になるケースもあります。
これらは体外受精前に行う不妊検査(子宮卵管造影、クラミジア検査など)で発見されることが多いので、卵管や子宮に問題が発見された場合は症状にもよりますが、妊娠しやすい体に整えるためにそちらの治療を優先することになるでしょう。
食生活の乱れ、ダイエットによる栄養不足、睡眠不足、冷え、過度なストレスなど、生活習慣の影響により妊娠しにくくなっている可能性もあります。
生活習慣の乱れは、女性ホルモンのバランスを乱す原因になるので、この機会に生活習慣を見直しましょう。
栄養バランスが整った食生活にし、夜更かしを避けて規則正しい生活を送ることで、妊娠しやすい体をつくることができます。
また、冷えは万病のもとといわれているくらいなので、体を冷やすこともよくありません。
寒い時期は腹巻をするなどして体を温めるようにしましょう。
そしてストレスを溜め込まないように、リラックスして過ごし、ストレスを感じたら好きなことをして発散するなどの工夫をすることも大切です。
体外受精をしてから妊娠判定のために病院に行くまでの間は長く感じるものです。
その前に体外受精失敗時に起こる症状を知り、心構えをしておきましょう。
体外受精に成功したのか、失敗したのかを知るには、着床したときに起こる症状を知っていることで判断できます。
着床時は、子宮内膜を厚くする黄体化ホルモンが大量に分泌されるので、基礎体温が上がります。
ただし例外もあり、着床しても1日だけ基礎体温が落ちて、次の日に体温が上がることもあります。
基礎体温が低いまま上がらない状態が2~3日以上続くのであれば、体外受精に失敗した可能性が高いです。
1日だけ基礎体温が下がったのであれば、その後高温期に戻る可能性もあるので、次の日まで様子を見ましょう。
体外受精後に出血があった場合でも体外受精に成功している例は、いつもの生理よりも少量の出血だった場合、もしくは着床出血が混ざった茶色いおりものがあった場合です。
着床出血は、1日で終わることもあれば、10日くらい続くこともあり個人差があります。
しかし、いつもよりも量が多めの生理が来たのであれば、体外受精失敗の症状だといえます。
体外受精をすると生理の周期が乱れることがあるので、生理が少し遅れてくることがあるのですが、その際に通常の出血と同時に受精卵の排出があるので、出血の量が多くなるのです。
生理が来る時期や出血量については個人差がありますが、ドロッとした出血やレバー状の塊が出ることもあります。
体外受精の胚移植10日目以降に生理痛のような痛みが出た場合、体外受精に失敗し生理が来る可能性があります。
しかし生理痛のような痛みだと思っていても、着床痛だったということもあるので、痛みだけで失敗だと判断することはできません。
また、下腹部がチクチクするという痛みがある場合、体外受精に失敗したのではなく、着床痛である可能性が高いです。
下腹部が痛む症状は、胚移植から数日してから起こる症状なので、生理痛や下腹部痛の痛みがあるだけでは、失敗したと判断しないほうがよいでしょう。
体外受精失敗後は気分が落ち込んでしまいますが、メンタルケア方法を実践して失敗を乗り越えましょう。
体外受精失敗後は、気分が落ち込み、ストレスが溜まってしまいます。
ストレスは体に良くありません。
ストレスが溜まりそうだったら、一旦治療のことを忘れるのも1つの手段です。
治療を忘れて自然な夫婦生活を持つことで、自然妊娠する可能性もあります。
夫婦生活を持つときは排卵時期を意識することが大切ですが、あまり思いつめずリラックスした状態であることが、妊娠しやすい体をつくることにつながるのです。
不妊治療の失敗を繰り返していると、夫婦仲が悪化するというケースがよくあります。
しかし、失敗したときこそ夫婦のスキンシップを増やすチャンスです。
体外受精に失敗すると、次の治療まで長い間待たなくてはいけません。
そこで焦ってイライラするのではなく、時間があるからこそ治療に関係なく夫婦のスキンシップを増やし、夫婦仲を深める期間にしましょう。
夫婦のスキンシップが増えて夫婦の仲がよくなることで、夫は今まで以上に治療に協力的になる可能性もあります。
また、夫婦仲がよくなり自然妊娠をしたというケースも稀ですがあるので、夫婦のスキンシップを増やすことはよいことです。
体外受精1回目ですぐに妊娠する確率は、約40%ほどだと言われています。
つまり、半分以下は妊娠には至らないということ。
何度か体外受精を重ねると妊娠率が上がっていくので、失敗したからといって落ち込むのではなく、次回の挑戦に向けて気持ちを切り替えるようにしましょう。
次回の挑戦で成功できるように、それまでの間に体の調子を整えることを優先したほうがよいです。
体調を崩してしまったら体外受精自体をすることすらできません。
寒い時期は体を冷やさないようにするなど、体の調子を崩さないように工夫をし、規則正しい生活を送って妊娠しやすい体になるように意識して生活をしましょう。
不妊は女性だけの問題ではありません。
体外受精などの治療をすることも、女性だけではなく男性の協力も必要になります。
体外受精に失敗することを繰り返すと、夫婦仲が悪くなったり、イライラしてパートナーに当たってしまうこともあるかもしれません。
しかし、ストレスを溜めてしまうのは体のためによくありません。
妊娠しやすい健康な体をつくるためにも、そしてストレスを溜めずにリラックスして過ごすためにも、夫婦がお互いを思いやる気持ちが大切。
お互いを思いやり、夫婦仲よく協力し合って治療に取り組んで妊娠を目指しましょう。