2018.07.09

体外受精で移植後に腹痛がおきたら?考えられる原因は?

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最近では不妊に悩んでいる女性も多いことから、体外受精を行う女性も増えています。

体外受精後に感じる症状はさまざまですが、そのなかに「腹痛」があります。

治療前にある程度の知識を持っておくことで、いざというときに慌てることなく対処することができます。

是非参考にしてみてください。

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体外受精移植後に腹痛が起きる原因とは?

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女性を悩ませる体外受精移植後の腹痛

最近では女性の晩婚化が進んでいます。

そのため、結婚する年齢が上がっているとともに出産する年齢も上がっています。

不妊に悩んでいる女性も多く、不妊治療を受ける夫婦も増えてきています。

体外受精を行ったあとに感じる症状のなかに、腹痛を感じる方もいらっしゃいます。

腹痛の原因はいくつか考えられますが、場合によっては病院へ受診をしなければなりません。

ですので、体外受精後に起こる身体の変化について把握しておく必要があります。

体外受精の移植後に、腹痛が起こる理由は?

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受精卵の着床による痛み

体外受精後に起きる腹痛は、移植した受精卵が子宮内膜に着床したことで起こる着床痛が原因になっている可能性があります。

受精卵が着床するときに、子宮内膜に潜り込もうとすることで腹痛や、着床出血と呼ばれる微量の出血が起こったり、茶色いおりものが増えることがあります。

着床出血以外にも、胸の張りや軽い吐き気、倦怠感、腰痛、頭痛などの症状が出る場合もあります。

着床痛は、全ての人が感じるというわけではないため、痛みを感じなくても問題はありません。

移植時のカテーテル挿入の傷

体外受精を行う場合は、一時的に卵子と精子を取り出し、人の手で受精させてから女性の子宮に移植します。

受精卵の移植には、カテーテルを挿入して行うのですが、子宮に傾きがある場合や子宮の入り口に筋腫がある場合、子宮が後屈している場合にはカテーテルを挿入するときに痛みを感じやすく、移植直後に痛みが残ってしまうことがあります。

また、移植時にカテーテルを挿入することで子宮に傷ができてしまい、腹痛を感じることがあります。

化学流産の可能性

化学流産は、妊娠検査薬に陽性の反応が出たにも関わらず、病院でエコー検査で妊娠の有無を確認する前に流産してしまった状態のことをいいます。

妊娠検査薬は、妊娠したことでhCGホルモンが分泌され、このホルモンを検出することで妊娠の有無を判別しています。

そのため、化学流産は一度着床して妊娠が成立することから妊娠検査薬に陽性の反応がでてしまいます。

体外受精を行った場合は、受精したものを移植するので、通常に比べてフライング検査をしてしまいやすく、妊娠検査薬で陽性が現れることがあります。

妊娠検査薬で陽性が現れ、ひどい腹痛の場合は化学流産の可能性があります。

風邪やウイルスなどの感染症

下腹部痛と一緒に発熱や下痢、嘔吐、脱水などの症状がある場合は、風邪やウイルスなどの感染症が原因になっていることが考えられます。

体外受精後は、移植した受精卵が着床すると妊娠が成立します。

この時期に下痢が続くことが流産の原因になることはありませんが、お腹の中の赤ちゃんに栄養が十分にいかない可能性があります。

長期間体調が悪く、下痢が続くなど、水溶性の便が続く場合や、吐き気や激しい腹痛がある場合は、医療機関へ受診しましょう。

移植後に腹痛を感じた時の対処法

痛み止めを飲む

体外受精後に腹痛がひどい場合は、医療機関に行くと痛み止めを処方されることがあります。

痛み止めを飲む場合は、医師の処方薬を飲むようにすると安心です。

なお、体外受精を行ったあとは、妊娠している可能性があるため、自己判断で痛み止めを飲むことはやめましょう。

妊娠している状態で痛み止めを飲んでしまうと、胎盤を通してお腹の中の赤ちゃんに薬の成分が届いてしまう可能性があります。

痛み止めの効果は人それぞれですが、医師から痛み止めの内服の許可が出ている場合は、痛みに耐えるよりも痛み止めを服用しましょう。

腹痛に効くツボを押す

腹痛が治らない場合、腹痛に効くツボを押すことで症状を和らげることができるかもしれません。

腹痛に効くといわれているツボは、下痢点や足の三里などいくつかありますが、最も万能といわれているのが合谷と呼ばれるツボです。

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合谷は、手の甲側の人差し指と親指の付け根あたりの、人差し指の骨のあたりにあります。軽く押すとくぼみがあるため、見つけやすいです。

腹痛だけでなく、下痢や便秘、頭痛、歯の痛みなどにも効くツボとして有名です。

フライング検査をしてみる

体外受精をした後に腹痛がある場合は、移植した受精卵が子宮内膜に着床したことで起こる着床痛の可能性があります。

この場合、妊娠検査薬を使ってフライング検査をすることで、妊娠の判別ができる場合があります。

妊娠検査薬は、ドラッグストアなどで簡単に購入することができます。

また、早めに検査ができる早期妊娠検査薬の使用もおすすめです。

早期検査薬は、通常の検査薬に比べて着床したことで分泌されるhCGホルモンが、通常の半分の量で反応します。

移植後、腹痛が辛いときの過ごし方

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アロマの香りでリラックス

アロマの香りを使ったアロマテラピーには、痛みをやわらげて鎮める効果があります。

好きな香りや腹痛に効くといわれているアロマの香りで身体をリラックスさせましょう。

気分転換にもなり、痛みを忘れさせる効果が期待できます。

ハンカチやティッシュに1滴アロマを落として使用することで、手軽にアロマの香りを楽しむことができます。

また、アロマバスの場合は、好きなアロマを1滴~3滴をバスタブにいれてかき混ぜるだけで、リラックス効果を期待することができます。

体を温めて痛みを和らげる

腹痛がある場合は、身体を温めるようにしましょう。

鍼灸は、痛みがでているところやツボに鍼を刺すことで、身体の機能の回復を促します。

とても細い鍼で行われるため、痛みはほとんどありません。

鍼を刺すことで患部が刺激され、痛みを抑えるホルモンが分泌されることによって痛みを和らげることができます。

また、身体全体を温める方法として、自宅でも簡単にできる入浴がおすすめです。

入浴をする場合は、38度から40度のぬるめのお湯に10分から15分浸かることで、十分効果を期待することができます。

横になって休む

腹痛がつらい場合は、横になり安静にすることで楽になることがあります。

とくに、膝を曲げてリラックスし、身体を少し前屈させるシムスの体勢は、腹痛があるときには最も楽な姿勢といわれています。

できるだけ安静にし、買い物や家事などどうしても動かないといけないときは、ゆっくりと動くようにしましょう。

お腹に負担がかかる姿勢や動き、お腹に力が入るようなことはなるべく控えるようにしましょう。

また、痛みがひどい場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

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痛みが強い場合は、医師にすぐ相談を

体外受精を行った後に起こる腹痛の原因には、さまざまなことが考えられます。

そのなかには、体外受精を行ったことで傷ができて腹痛が起こる場合や、移植した受精卵が子宮内膜に着床したことで起こる着床痛があります。

その場合は、数日で治まることが多く、安静にしていることが重要です。

しかし、痛みが強い場合や長引く場合、出血がある場合は、我慢せずに医師に相談するようにしましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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