顕微授精って、実際にどのような治療が行われるの?
どれくらいの費用がかかるの?
効果は期待できるの?
よくわからず治療を開始する決断ができずにいる人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では顕微授精について詳しく見ていきましょう。
顕微授精は顕微鏡で見ながら卵子の中に精子を直接注入し、授精させる方法です。
最も成功率が高いものになりますが、健康保険が適用されないため、顕微授精は全て自己負担となります。
成功率も高いのですが、その分費用も高くなってしまうんですね。
それでは、顕微授精の場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
顕微授精は日本で行うと保険診療対象外のため、高額になることがあります。
事前に予算と平均費用を照らし合わせてから治療を始める必要があります。
顕微授精の費用は、使用するホルモン剤の種類や回数、胚移植の方法、実施する医療機関などによって異なりますが、1回あたりの自費診療は40万円~60万円程度はかかると考えておきましょう。
ここでの1回とは大抵の場合、顕微授精から胚移植までを指しており、卵子の個数が増えると、それによって費用が上がっていく傾向にありますので注意が必要です。
不妊治療は、人工授精や顕微授精などの手術代だけかかるわけではありません。
その他の費用や諸経費もたくさん発生します。
培養した受精卵を、採卵と同じ周期に胚移植を行うケース「新鮮胚移植」のほか、成長した胚を凍結保存しておき、適切なタイミングで融合して移植する「凍結融解胚移植」という方法があります。
この方法での経費や採卵する卵子個数による金額の加算など、いろいろな諸経費がかさなると100万円近い金額になってしまうこともあります。
妊活女性を対象にしたWebメディアがインターネット調査を行った結果、不妊治療の中でも高額となる特例不妊治療にかかる費用は平均で約193万円となることが判明しました。
思っている以上に高い金額がかかるのです。
顕微授精における排卵誘発法は、薬の力で人工的に排卵周期を作り出す方法です。
採卵方法に関しては女性の体や生活スタイルに応じた選択がなされます。
投与を開始するタイミングによって、アンタゴニスト法・ショート法・ロング法の3種類に分かれます。
それぞれの方法についてみていきましょう。
顕微授精を行う際には、排卵時の卵子の成熟度合いが非常に重要になります。
排卵誘発剤で卵巣を刺激して、卵子が十分に育つように促しながら、未熟なままの卵子が排出されないようなコントロールを同時に行うことを卵巣刺激法といいます。
アンタゴニスト法は、採卵のタイミングに合わせ、成長を促す採卵法です。
排卵コントロールがしやすく、排卵誘発剤の使用量が少ないので体への負担が軽いのですが、約8万円ほどかかってしまいます。
アンタゴニスト法は、多嚢法制卵巣症候群や、卵巣過剰刺激症候群を起こしやすい人でも使用できるのが大きなポイントです。
治療期間が短いショート法は約5万円で、生理3日目から点鼻スプレーを開始し、同時に排卵誘発剤を注射する方法です。
投薬機関が短く済むため、体の負担もその分軽くなります。
また、スケジュール的にもメリットがあり、クリニックへ長期間通うことが困難な場合にもおすすめです。
卵子の数が増え、他の排卵誘発剤で反応不良例でも卵胞発育が期待できますが、卵子の質が不ぞろいになることがあります。
ロング法は、顕微授精の排卵誘発法の中では一番古くからおこなわれており、日本では20年以上の実績があります。
他の方法に比べて卵胞を育てる準備を前もって行うのが特徴です。
排卵誘発法の中でも、ロング法は排卵日のコントロールがしやすい方法としてしられています。
点鼻薬の投与を開始してから排卵日までが長く、その間、点鼻と注射を何度もする必要があります。
そのため、体への負担が少なからずかかることや費用が約5万円~10万円とかさみがちになる特徴があります。
顕微授精の治療にかかる費用は一般的に高いというイメージがありますが、これには理由があります。
不妊治療には一般不妊治療と高度生殖医療があり、高度生殖医療は高度な技術を用いて治療にあたるため、金額が高めに設定されてるからです。
そこで少しでも費用を抑える方法を見ていきましょう。
顕微授精をはじめとする高度生殖医療はわゆる自由診療にあたります。
健康保険を使うことができないため、すべて自費となるのです。
顕微授精にかかる費用の問題はこれから顕微授精を受けようと考えている方、今後も持続したいと考えている方、いずれにとっても重要なことです。
だからこそ、信頼できるクリニックを探すことが大切になります。
HPを調べるとクリニックによって金額設定に差があります。
それぞれの治療法についてわかりやすく金額が明示されているクリニックにかかりましょう。
通常の医療費ですと、疾患に由来しない治療費は医療費控除に含めることはできませんが、不妊治療では原因不明で不妊ということなので、その原因の不妊を治療する医療行為として医療被控除の対象となります。
含めていい期間は通常の医療費控除と同じく、1月1日から12月31日にかかった治療費です。
また、通院の際にかかった交通費で公共の乗り物を使用した際には、その費用も含めることができます。
領収書が発行されなかった場合はメモ書きでも対象範囲になりますので、毎回細かな記録をとっておきましょう。
日付や行き先、金額などです。
注意したいのが不妊治療費に限らず通常の医療費と同じなのですが、自家用車で通院している場合のガソリン代は医療費控除に含めることができません。
国には、特定不妊治療費助成制度という不妊治療を対象とした助成金制度があります。
これは自治体に指定された医療機関で体外受精または、顕微授精による不妊治療を受けた人を対象に、費用の一部を助成する制度です。
この制度では、1回の治療にかかった費用に対して15万円(初回は30万円)までの金額を助成してもらえます。
凍結胚移植など採卵を行わない治療については、いずれも7.5万円までの助成となります。
助成の回数は1回の助成を受けた時点での女性の年齢が40歳未満である場合は通算6回、40歳以上の場合は通算3回までとなっています。
ただし43歳を超えると助成が受けられませんので注意が必要です。
また、各都道府県によっては国が定めている制度にさらに上乗せしている地域もありますので、利用する場合にはよく確認するようにしましょう。
日本生命は特定不妊治療をサポートする国内初の保険を発売しました。
不妊治療費を保証する民間保険は国内の販売は初めてです。
それに引き続き東京海上日動火災保険などの保険会社が不妊治療をサポートする保険を発売しています。
女性向きの保険に見られますが、がん・急性心筋梗塞・脳卒中の3大疾病にかかりか死亡した場合、一時金300万円を受けられるというものですが、それに加えて不妊治療の保証も受けられるのです。
(男性側に原因がある場合も補償、すでに不妊治療経験者でも入れます)
これは今までにない保険です。
20代から治療を始め、半数近い人が100万円近い治療費が必要になることを考えると、不妊治療の費用を保障してくれる保険があるなら年齢が若いうちに加入しておくのも一つの手ではないでしょうか。
不妊治療は1回の処置で妊娠できるとは限らず、回数を重ねていくごとに出費が重なっていきます。
先に紹介した不妊治療の総額費用では、平均が約190万円ほどですが、治療内容によっては数百万円かかることも想定しておきましょう。
お金の捻出方法として、毎月のお給料から決まった額を不妊治療費の貯蓄に回したり、顕微授精の特定不妊治療は国から助成金を受け取ることができますので、積極的に利用しましょう。
また、各自治体によっては独自の助成金制度を設けているところもありますので確認をしておきましょう。
助成金をもらっている場合でも、1年間の治療費から助成金額を差し引いた後の金額が10万円を超えていれば医療費控除対象になりますのでこちらも押さえておきましょう。