2018.06.03

「体外受精の成功率」は年齢でこんなに変わる!成功率を上げるコツとは?

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体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)の成功率は「約40%」ほどと言われており、6回目までに90%の確率で妊娠するとされていますが、その確率は年齢によって大きく変わってきます。

年齢別の成功の確率と失敗の原因、妊娠の成功率をあげるコツをみていきましょう。

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成功のために回数を重ねることもある体外受精

体外受精の成功率は約40%と言われてはいますが、実際に1回目で妊娠している人は多くありません。

1回目でうまくいかなかったところを重点的に治療をして2回目に挑み、それでも成功しなければ新たな問題点を探してと続いていきます。

失敗の原因はさまざまで、そこには年齢も大きく関わってきます。

体外受精の年齢別成功率

体外受精は年齢によって成功率が変わってしまいます。

なぜ確率が違うのか、年代別の成功率と治療の開始年齢が重要視される理由を説明します。

20代では40%

40%という成功率を低いと感じる人は多いかもしれません。

この数字は1回目での成功率を表しているので、決して低い数字ではないのです。

20代は一般的に妊娠するのに適した年代ですので、卵子や卵巣機能も十分に備わっています。

よって、採卵時に量が採れたり、質のよい卵子が採れ受精卵まで育ってくれる可能性が高まります。

不妊治療はできるだけ早く始めるのがいいと言われているのは、卵子や卵巣が年齢が上がるにつれて老化が始まり妊娠しにくくなっていくからです。

卵子凍結などニュースで話題になったりしていたので、気にする女性も増えているかもしれませんが、まだまだ広くは知られていないでしょう。

若いうちに情報を知るというのも大切です。

30代前半で37%

30代前半は成功率37%と20代とあまり変わらない数値がでていますが、30代後半になると30%とガクンと減ってしまいます。

35歳から高齢出産と定義されており、35歳を境目に1歳年をとるごとに成功率はどんどん下がってしまいます。

35歳も36歳も変わらないと思うかもしれませんが、見た目は変わらなくても卵子は若返ることはできないので、老化していく一方なのです。

30代は任される仕事の質が上がったりキャリアアップしたりと、仕事が楽しくなる時期でもあるため、治療の開始時期や進め方など悩むことが多いかもしれません。

40代前半で15%

40代では成功率はものすごく下がってしまい、40代後半になると10%以下となってしまいます。

卵子は産まれた時から数が決まっており、増えることはありません。体外受精は採卵をして卵子を採取して精子と受精してようやく受精卵になるのですが、卵子が老化してしまうと採卵できなかったり、できても質が悪く受精しなかったりなどと、とてもハードルが高くなってしまいます。

卵子の老化は、適度な運動をしたり、喫煙者の場合は禁煙するなどの努力でスピードを少し遅らせることは可能なようです。

晩婚化が進み40代で初産という人も増えてはいますが、不妊治療となるとなかなか難しいのかもしれません。

不妊治療は助成金が一部でますが、その条件の一つに42歳以下という年齢制限があります。

この設定年齢からみてもわかるように40代からの治療は成果を出すことが大変だといえます。

体外受精が成功しない原因

不妊の理由はさまざまだと思いますが、体外受精が成功しないとされている理由を3つあげてまとめました。

卵子と精子の質の低下

卵子の老化だけではなく精子も加齢とともに老化していきます。

精子が老化すると運動量や精子の量そのものが減少し、せっかく採卵した卵子にふりかけても受精卵にまでたどり着かないなんてことになってしまいます。

加齢が原因ではない場合は、タバコが原因になっているかもしれません。

喫煙者の体外受精成功率は非喫煙者より20%減少するともいわれています。

加齢による精子の老化と同じように、精子の運動量や量が非喫煙者よりも約15%下がるとされています。

体外受精はどうしても女性のほうに負担がかかってしまいますので、成功率を上げるためにもタバコは必ずやめましょう。

子宮の状態が思わしくない

せっかくよい受精卵ができても子宮の状態がよくないと着床せず失敗へとつながります。

主な原因として筋腫やポリープなどがあげられます。

筋腫があっても妊娠する人もいますが、数や場所、大きさによっては妊娠に影響を及ぼしてしまいます。

体外受精の前に検査をする場合が多いため、なかなか成功せず筋腫が原因になっているか気になるようでしたら主治医に相談してみましょう。

ポリープは自覚症状がなく、小さいと超音波診断ではわからないこともあるようです。

原因がわからない場合は主治医に病理検査など、もっと詳しい検査をお願いしてみるのもよいでしょう。

夫婦ともに原因不明

一番難しいのが夫婦ともに原因がないとされた場合です。

何かしら原因があればその原因を取り除いていけばよいのですが、原因不明となるとどうしようか悩んでしまいます。

不妊治療の辛さはみんな同じですが明確な治療方法がわからないというのが、実は一番辛かったりもします。

不妊治療は頻繁な病院通いで予定がなかなか立てられなくなったり、注射に貼り薬、飲み薬、とやらなくてはいけないことも多く、周りからのプレッシャーなど知らず知らずのうちにストレスを受けていていて身体に影響をおよぼしているのかもしれません。

不妊なのは仕方がない、今回失敗したのは仕方がないことと割り切ってしまって、気持ちの切り替えも大切です。

決してご自身を責めたりしないでくださいね。

体外受精の成功率をあげるコツ

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少しでも成功率をあげるためにできることを4つに分けて考えてみました。

体外受精の成功率が高い病院を選ぶ

体外受精は費用がかなりかかるので、できれば少ない回数で成功させたいと思いますよね。

体外受精にチャレンジしようとしている、成果がでないなんて時は、成功率の高いクリニックに行くのもいいかもしれません。

今はネットなどで不妊治療の有名クリニックのランキングや口コミなども調べれば出てきますので、気になるクリニックを探して成功率などを比べてみるのもよいかもしれません。

栄養バランスに配慮した食事を作る

食は体作りの基礎なので大変でも見直してみましょう。

基礎体温は低くないでしょうか。

低い場合には、身体を温める根菜や妊活ビタミンといわれているビタミンEとビタミンCを意識して摂取しましょう。

ビタミンEは妊娠ホルモンといわれている黄体ホルモンを作る栄養素で、それを活発にさせてくれる働きがあるのがビタミンCです。

ビタミンEはナッツ類や植物性油、アボカドに多く含まれ、ビタミンCはイチゴやレモンなどに多く含まれています。

妊娠中に必要とされている葉酸は妊娠してから摂取するのでは遅いとされているので、治療中から意識して摂取して気持ちを前向きにするのもよいかもしれません。

レバーやホウレン草、枝豆に豊富に含まれているため、意識して食べるようにしましょう。

ゆとりのある睡眠時間の確保

働きながらの不妊治療や二人目不妊など、治療をしている人の生活もさまざまだとは思いますが、1日に約8時間睡眠時間を確保してホルモンバランスを整えていきましょう。

睡眠不足になると黄体ホルモンの分泌が減少してしまい体のバランスが崩れてしまいます。

できれば夜12時前には就寝して、体を休ませてあげるのも大切な妊活です。

どうしても睡眠時間が取れない時は、寝る前にストレッチをしたりアロマの香りでリラックスしたりと工夫をして睡眠の質をあげるとよいです。

寝る前はスマホを見るのをやめるのも効果的です。

夫婦のスキンシップを増やす

不妊治療はどちらかに原因があったとしても夫婦二人で協力しあってすすめていくものです。

思うように成果がでないとイライラしたり、落ち込んだり心も体もとても疲れてしまいます。

そんな時は、二人でストレス緩和のために同じ趣味を持ったり、二人で共通の楽しみを持つといいかもしれません。

不妊治療中は毎日のように病院通いをして薬や注射などを受けて副作用も少なからずあったりと、毎日が戦いのような日々ですが、治療以外の共通の会話をすることで辛い治療だけではなく楽しい時間も共有できて一緒にストレス発散になるでしょう。

治療はもちろん大切ですが、治療を忘れられる時間も大切にしましょう。

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夫婦がお互いに協力し合って成功を目指そう

不妊治療は出口のないトンネルといわれています。

体外受精にすすむということは、以前から何年も治療を続けているという人もたくさんいると思います。

追い打ちをかけるように、年齢ごとに成功率は減ってしまい、数字を見ると不安になってしまいます。

規則正しい生活を心がけながら、趣味や楽しみをみつけてみましょう。

そうして日々の生活を楽しみながら、夫婦がお互いに協力し合って成功を目指しましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。