2018.06.04

人工授精はなぜ助成金が支給されないの?理由と適用される条件は?

ARTICLE

不妊の治療において、人工授精を視野に入れた治療方法がとられることが多く、治療を行う上で費用の知識も重要です。

保険が適応されない人工授精は、助成金制度は各自治体での制度次第となり、居住地の助成制度について十分に把握しておく必要があります。

acu-banner.jpg

保険の適用されない人工授精

健康保険証.jpg

結婚してから妊娠したくても、なかなか妊娠できないときに、真剣に妊活について調べてみる方が多いのではないでしょうか。

妊娠は年齢的にも制限があるため病院に行くケースが増えています。

しかし、不妊医療に関しては健康保険制度の適用外となる治療が多く、病院での診察、検査など全額が自己負担となり高額な費用がかかります。

治療の第一ステップとして、自然妊娠に近いタイミング法を行うケース、第二ステップでは人工授精を行い、第三ステップとして体外受精や顕微授精があります。

これらの妊活の通院は特別な病気ではない場合、健康保険制度適用外です。

タイミング法は、検査などの費用や定期的な受診が必要です。

なかなか妊娠できない場合は受診回数も増えるので、病院によって費用が違うため費用に大きな差があり、一回当たり数千円から数万円という費用がかかるのが一般的です。

このタイミング法で、5回ないし6回までに妊娠できない場合、人工授精による妊娠治療に移行するケースが多く、そのほかに年齢的になかなか妊娠しにくい場合や35歳を境に妊娠確率が変わってくることから、タイミング法は行わず、始めから人工授精を選択するケースもあります。

これらの治療費用は健康保険制度の適用外ですが、少子化が進む現在では、数々の条件を満たした場合のみ国が定めた特定不妊治療に対する助成金と、さらに都道府県が独自に定めた助成金を上乗せして支給する場合があります。

また、区市町村が独自に助成金制度を定めて国の助成金の対象外となる不妊治療に対しての助成金を支給する自治体も増えてきています。

人工授精に助成金が適用されない理由

悩む女性ストレス.jpg

妊活治療にもいろいろな方法があり、手段で医師と相談しながら行うことになりますが、年齢を重ねて行くと妊娠する確率が低くなると言われています。

タイミング法で妊娠できない場合、次の段階として普通の妊娠に近い人工授精が行われるケースと年齢的に早く妊娠しなくてはならない場合など人工授精を行わず、体外受精を選択するケースもあります。

人工授精と体外受精では、その費用が大きく変わります。

自然妊娠に近い人工授精にかかる費用は、病院によって違い、保険適用外のため一回当たり概ね1万円から3万円くらいとあわせて、病院によっては別途診察料などの費用がかかります。

ですが、国が定めた高度先進医療とは違うため、国からの助成金対象外となっています。

体外受精ほど料金が高額でない

体外受精は人工授精と違い、高度先進医療としてその費用も保険適用外ですが、一回当たり48万円程度かかります。

人工授精の一回当たり1万円~3万円と比較しても、自己負担なので随分と高額出費となります。

そこで体外受精の場合には、さまざまな条件がありますが、国から助成金が支給されるのです。

現在では、健康的な妊娠分娩も病気と違うため保険適用外ですが、国から出産一時金が42万円支給されています。

出産に関わる高額費用が全て自己負担となるわけではありません。

したがって人工授精は国からの助成金がないという点からみても、医師の診断を受け、数回人工授精を試みるケースもありますが、診断結果によっては人工授精をしないで体外受精をするケースもあるのです。

治療の期間が短い

人工授精の場合、排卵日女性の排卵日の周期を把握したり、生理後12日~14日に精子の着床を行い、生理後約28日後に妊娠しているか検査をするという流れで進むため1回で妊娠できればよいのですが、このような流れで妊娠まで治療を続けといくと、概ね5回くらい行って6ヵ月~1年間ほどかかる可能性もあります。

それでも妊娠できない場合には、医師と相談しながら体外受精に変更するケースがあるのです。

人工授精でも助成金を貰える場合の条件

女性ガッツポーズ.jpg

今の少子化時代では、国から助成金が出ない人工授精の場合やそのほかの不妊治療に対しても、独自の助成金を支給する制度を設けている地方自治体もあり、自分の住んでいる地域によってかなり異なります。

制度内容を保健所や保健福祉事務所などに事前確認してから人工授精やほかの不妊治療を行うことが重要です。

もちろん、地方自治体の助成金を申請する際の条件があります。

例えば、国の助成金申請の条件に準じているケースがあります。

戸籍上の婚姻関係があること、年齢制限や世帯の所得制限、指定医療機関での受診などの条件を満たしているというものがほとんどです。

住んでいる区市町村が独自の助成事業をしている

人工授精や国からの助成金の対象外となる、いわゆる一般不妊治療に対して自分の住んでいる区市町村が独自の助成金を支給することがあります。

また、体外受精や顕微授精の特定不妊治療には、国からの助成金に加え、上乗せして支給する区市町村もありますので、申請時期や回数制限、年齢制限、対象医療機関での受診が必要かなどを事前に確認してから受診することが重要です。

特に、東京や大阪の大都市では、国に申請する特定不妊治療の助成金の申請を受付してくれます。

国では各都道府県や指定都市、中核都市に不妊専門相談センターの拡充を進めています。

自分の住んでいる地域に設置されているなら、さまざまな疑問に答えてくれる専門員に確認できるので、活用するのもよいでしょう。

各都道府県や各区市町村には、一般不妊治療にかかる費用に助成金を支給する場合がありますが、東京では、住んでいる区市町村で助成金制度の有無が大きく違います。

また、大阪市では現在のところ一般不妊治療に対する助成金がないのですが、大阪府内でみると、独自の一般不妊治療の助成金制度を設けて支給している市町村もあります。

一方で愛知県では、県が一般不妊治療の助成金を支給していますし、愛知県内の数多くの各市が独自に一般不妊治療の助成金を支給する制度を設けています。

まずは、治療を受ける前に自分の住んでいる区市町村の福祉関連の事務所に確認しておきましょう。

年間所得が730万円未満

体外受精や顕微授精の国が特定不妊治療定めたものに支給される助成金申請の際、数々の条件うち、所得制限があります。

この助成金の受給資格として、夫婦両方の年間所得が730万円未満であることが一つの条件となっています。

各都道府県や区市町村独自の一般不妊治療の助成金の支給要件の一つに所得制限があるのが一般的です。

これについてもそれぞれ自治体によって異なりますので、確認しておくとよいでしょう。

税金などの滞納がない

国から支給される特定不妊治療の費用に対する助成金や、そのほか各都道府県や各区市町村で支給される不妊治療の費用に対する助成金を受け取るには、当然ですが、市税やほかの税金の滞納がないことが条件のうちの一つです。

税金は、日頃から決められた期日までに納付しておくことは言うまでもありません。

年齢が43歳以上

国の特定不妊治療費用の助成金を申請するときの条件の一つに妻の年齢制限があります。

これは、最新の医学的知見を踏まえた上で、年齢的な妊娠、出産に伴うリスクである妊娠婦の死亡率や流産率など母子ともの健康上リスクの観点から43際未満に対する助成金支給という条件が決められているのです。

43歳以上の場合には国からの助成金など支給が全くないことになります。

各都道府県や各区市町村の独自の助成金支給の年齢制限はこの国の条件と同様に、不妊治療や体外受精、どちらも年齢制限を43歳未満としているのです。

人工授精の費用を助成金なしで抑える方法

病院受付.jpg

自分の住む町では、人工授精の費用に対する助成金が支給されない場合もあり得ることがわかったところですが、実際に確認してみて支給されない事がわかったら、費用をなるべく安く抑えることを考える必要があります。

病院によってその費用は変わるので、同じ治療を受けるなら、支給申請することがないので、助成金支給対象の病院や対象外の病院で幅広く費用を調べてみる必要があります。

料金の安いクリニックを探す

人工授精の場合、妊娠できない場合は、多くて5回から6回まで治療する場合がありますが、年齢的な成功率に違いがあるだけに医師との相談で、最初から体外受精に踏み切るケースもあるようです。

しかし、費用をなるべくかけずうまく妊娠する可能性もあるかは、統計的にみて女性の年齢が大きく影響してきます。

目安として35歳未満であれば、人工授精による妊娠の確率が高くなります。

もし人工授精で妊娠を望む場合には、助成金がなくても家計の負担を少しでも減らす為、検査の費用など細かな部分まで病院に確認する必要があります。

中には完全報酬制度で妊娠した時に費用のほとんどを支払う形態のクリニックなど、さまざまなケースがありますので、夫婦共に納得のいく病院または、クリニックを選ぶことが必要です。

確定申告で医療費控除を受ける

助成金の支給がなかった不妊治療の費用はサラリーマンならば年末調整した後に、税務署に医療費控除の申請ができます。

支払った領収書は大切に保管しておき、通常、前年のかかった費用の医療費控除の申請は、2月から3月中旬まで受付していますので、所得税の減税が受けられます。

また、この申請によって市民税も減税されるので、忘れずに自分で税務署に申請することが必要です。

できるだけ若いうちに治療を始める

人工授精や体外受精などの不妊治療は、夫婦お互いの健康状態が大きく影響を及ぼします。

不妊治療を行っても、100%妊娠できるものではありません。ここで妊娠できる確率を大きく左右するのが年齢なのです。

不妊症かも、と思っていても若いうちは、なかなか夫婦で真剣に不妊症の話ができなかったり、女性がどの病院もしくはクリニックがいいのか迷ってしまいがちです。

助成金の年齢制限にもわかるように、年齢が上がると確実に妊娠成功率が下がります。

できるだけ早く夫婦でも話し合い、不妊症かもしれないと思ったら早めに医師に相談してみることが、妊活に最も重要なことだといえます。

必要のない検査は受けない

妊活に踏み切って、病院かクリニックで医師が診察しますが、さまざまな検査をしなくてはならないという場合もあります。

検査費用といっても高いものから安いものまで、自分たちに必要な検査なのか理解せずに受けていると思った以上に費用がかかるかもしれません。

費用をなるべくかけずに妊娠するには、何のための検査なのか、自分が納得するまで医師に確認することが必要です。

助成金に関する情報は注意深くチェックしよう

考える夫婦1.jpg

不妊症に悩む人は近年多くなり、少子化が進む中で国や地方自治体の不妊治療にかかる費用の助成に力を入れてきています。

平成28年度から年齢制限が条件に追加されたり、医療の進歩により、新しく追加される助成金もできる可能性もある状況です。

古い時代の情報に惑わされないように、自分たちが助成金に関する情報をこまめにチェックしていくしかありません。

また、住む区市町村によっても大きな違いがある不妊治療費用の助成金ですから、確実に損する事のないように、治療を始める前に助成金制度のチェックをしましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。