体外受精移植後はどのように過ごすことがベターなのでしょうか。
基本的には普段通りの生活を送ることがよいのですが、体に負担がかかりすぎることを具体的にみていきます。
どう過ごすべきかにとらわれて、ストレスをため込むことが無いように心掛けましょう。
体外受精移植後の日常生活の過ごし方に迷われる方は多いかと思います。
安静にすべきなのか、健康的に運動をしたらよいのか、考え方次第で生活の仕方が変わってきます。
基本的にはストレスを溜め込まずに普段通りに生活することが推奨されていますので、具体的に体外受精移植後にしてもよいこと、控えたほうがよいことに分けてみていきましょう。
基本的に体を動かすことはよいことといわれています。
エネルギーを消費し代謝をよくし、老廃物を排出します。
体外受精移植をしたとしても同様に体を動かすことはよいことです。
過度な運動はエネルギー代謝が上がりすぎてしまうので負荷量の調整は必要ですが、全く動かず安静にし続けることの方がよくありません。
いずれにしても今まで普通に生活をしていた方は、安静にしすぎることでエネルギー消費量の減少だけでなくストレスが溜まります。
このストレスのコントロールをしていくためにも、今まで通りの生活を送るようにしましょう。
栄養・運動・睡眠は体の健康を形成する重要な要素です。
これは体外受精移植後だけではないですが、普段、運動をしたり適切な睡眠がとれている人、すなわち健康状態が高い人は体外受精移植後の妊娠着床率が高いと論文で発表されています。
3食をきちっと取るために、
・睡眠時間を確保し、朝から気持ちよく朝食がとれること
・摂取したカロリーを運動により消費し代謝をあげること
・適切な時間に睡眠に入り朝を迎えること
このように、よい循環に入ることで健康状態が高まります。
血圧のコントロールと体温の維持によりサラサラな血流でいることで、生活習慣病の予防にもつながります。
体外受精移植後もこの3つの要素を規則正しくして、生活をするとよいでしょう。
これも当たり前かと思いますが、実現していくことは意外と難しいです。
身体の精神は強い関わりがあります。
身体の乱れが精神にも影響を及ぼしますし、精神の乱れが体調に影響することがあります。
これは多くの人が経験しているとも思いますのでイメージしやすいですね。
体外受精移植により身体・気持ちの変化はありますが、それを深くとらえ過ぎずに自分の好きなことをしながら生活をすることが大切です。
たとえば、食事に関しても嗜好品を全くとらずに我慢すること、自分らしい生活とはいえません。
また、ストレスもかかっていると思います。
暴飲暴食などはしてはいけませんが、限度を決めたうえで好きなものを摂取したり、食事に出かけたりという普段の日常生活を継続することが自分らしい生活を送ることといえます。
身体面と精神面のバランスを保つのも、自分らしい生活を続けることも重要なポイントになります。
過度に身体に負担がかかることは避けましょう。
まず運動ですが、軽いものなら問題ないのですが、自転車は長時間の運転によりサドルと臀部の自転車を駆動することでの振動が子宮に伝わりやすいといわれています。
これは子宮の収縮を誘発しやすいので、とくに長時間の自転車の使用は避けたほうがよいでしょう。
また水泳に関しては想像以上に全身への負担が大きいです。
水の浮力で疲労が少ないように感じますが全身運動で体への負担がかかるので避けたほうがよいでしょう。
また、移植直後でなければそこまで問題ないかと思いますが、膣口から水泳を通して感染症を起こす可能性もいわれていますので注意しましょう。
日常生活では重いものを持ったり高所から物をとるような動作も避けたほうがよいです。
力を入れることで「いきむ」ことになり、腹圧がかかり子宮の収縮が誘発されやすいので控えましょう。
体を温めすぎることがよくないのは受精卵が熱に弱いといったわけではありません。
体を温めることで受精卵への影響を検索すると、受精卵が熱に弱いからといった理由がヒットしますが医学的根拠が立証されていないのが現実です。
移植後は、ホルモンバランスの影響で母親になる方の体温が上がりやすいです。
体温があがるだけで代謝が促進され多くのカロリー・水分を消費します。
この体の状態で体をさらに温めることで、より多くのエネルギーを使うことになります。
結果として岩盤浴など健康目的で取り組んだ内容が、体に負担をかけやすいものになり得るということを知り、自分の体調を管理していくことが大切です。
ストレスを溜め込むことはよくありません。過負荷なストレスは心身に悪影響を及ぼします。
過度な安静などの極端な生活習慣の変容は精神的に負担をかけます。
運動も種類を選ぶことで行えるので、外出したりして適宜ストレスを発散することが大切です。
ストレスによるホルモンバランスの乱れも排卵に影響を与える可能性があり、生理不順などをもたらすこともあります。
アメリカのノースカロライナ大学の研究論文では、体外受精移植後の方を対象に生活習慣における妊娠確率についての統計結果が発表されています。
その結果、一年間にどれだけの活動をしたか約100名を対象にアンケートをとった結果、身体活動量が高い人の方が妊娠確率が高いという結果が出ました。
全員が身体活動量をあげたほうがよいとは言い切れませんが、今までのように生活習慣移植後の身体面を気にし過ぎてじっとして動かずにばかりいることは、避けたほうがよいでしょう。
参考URL:体外受精・胚移植を受けることをめぐり女性が経験していることに関する研究
体に負担をかけないことも大切ですが、それと同等以上に精神面のケアも重要です。
ストレスを溜め込むことや、煙草や多量の飲酒は体への悪影響が懸念されますので節度を持つ必要があります。
基本的にはご自身の好きなことをしてストレスを発散し、心身ともに健康的な生活を送れるよう心掛けましょう。
胚移植から妊娠判定まで、14日から21日後くらいの検査が正確といわれています。
早い検査ですと移植後7日めから知ることもできます。
移植後からの約2週間は長く感じる人もいれば、妊娠後は短かったなと感じる人もいると思います。
この間の期間、落ち着かない気持ちはもちろんあると思いますが、気負いせずにストレスフリーな状態で妊娠判定日が迎えられるように前向きな心持ちで過ごしましょう。