妊娠したからといって、誰もが出産できるわけではありません。
実に10~15%が、流産という残念な結果となっています。
流産は、妊娠22週に至らない段階で、何らかの原因によって妊娠が終わってしまうことです。
せっかく授かった赤ちゃんを、元気に産み育てるために、流産の原因や予防法などを紹介します。
流産は全妊娠の10~15%と、極めて高い確率で起きています。
健康な女性でも20代で10〜20%、30代で20〜30%、40代では30%以上と、実に6~7人に1人が流産をするということになります。
人工的に流産させる「人工流産」を除いた、自然に起こる流産を「自然流産」と呼び、自然流産の80%は、妊娠12週までの妊娠初期に起こるといわれています。
自然流産には「完全流産」と「不全流産」の2種類があります。
胎芽、胎児、胎盤などの胎児附属物がすべて排出されてしまっている状態です。
胎芽や胎児、胎児附属物が体外に排出されない状態や、一部が残っている状態です。
完全流産の場合は、後の処置は不要ですが、不全流産の場合は「子宮内容除去術」という処置が施されることもあります。
妊娠初期の自然流産は、胎児側に染色体や遺伝子に異常があり、うまく細胞分裂ができなかったために起こります。
妊娠中に何かしたから、流産するというわけではありません。
自然流産は、受精したときに既に流産することが決まっていたもので、この時期の流産の6割から7割が染色体や遺伝子の異常によるものです。
妊娠12週以降22週未満の流産を「後期流産」といいます。
後期流産の場合は、絨毛膜羊膜炎、頸管無力症や子宮筋腫、子宮奇形などの「子宮の異常」が原因となっていることが多いようです。
下部に記したような兆候があれば、すぐに産婦人科に行きましょう。
まず超音波検査で心拍を確認し、7週以降で心拍が確認されれば問題はありませんが、心拍が確認できない場合は、流産と診断されます。
流産を予防するには、できるだけ早く妊娠を知ることです。
受精して着床し、胎盤ができるまでの14~15週くらいまでが、最も流産の危険があります。早めに妊娠を知っていれば、注意して原因をつくらないように注意することができるからです。
妊娠初期の日常生活では、以下のことに注意しましょう。
流産をすると、自分の不注意だったと自分を責めてしまう人がいます。
でも、妊娠初期の自然流産は、受精したときから決まっていた避けられない運命ですので、あまり深く考えすぎないでください。
初期の流産は、ほとんど原因がはっきりしません。
でも妊娠12週を過ぎると、母体側の原因によるものが増えてきます。
日常生活で注意を怠り、思いがけない結果をまねくことにもなりかねません。
妊娠可能な状態にある人は、まず基礎体温をつけて、早めに妊娠かどうかを知ることが大切です。
流産の兆候は急にあらわれることもありますが、たいていは徐々に進行します。
まず、痛みや出血の症状があらわれ、流産の疑いが出てきたら、横になって安静第一にします。
出血が始まっていたら、すぐに病院に行きましょう。