不妊かもしれないと悩んでいる夫婦はたくさんいらっしゃいます。
「不妊検査を受けようか」と考えている男性も多いでしょう。
今回は、男性の不妊検査の種類や内容について詳しく解説していきます。
男性の中には「不妊検査は女性が受けるもの」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし、不妊の原因は女性であるとは限りません。
男性が不妊の原因であるケースも少なくないのです。
健康な夫婦が一年を通して妊娠しなかった場合、不妊が考えられます。
「もしかして不妊かもしれない」
と感じたときは、男女どちらかだけでなく、両方が検査を受けることが大切です。
女性と同様、男性も検査内容はさまざま。
男性の不妊検査の種類を踏まえた上でパートナーとよく話し合い、どのような検査を受けるべきか考えてみてくださいね。
まずは、男性の不妊検査の種類について解説していきます。
どのような種類があるのか、チェックしていきましょう。
精液検査は精子の運動率や運動量を調べる検査です。
精子の運動率や量によって、妊娠しにくい可能性があるのです。
精液検査では一回の射精で得られる精液を調べることが一般的で、病院で検査を行います。
ただし、精子の状態はストレスや生活習慣に左右されやすく、一回の検査で正確な結果が出ないことが多いです。
そのため、精液検査は期間をあけて複数回行うことをおすすめします。
Y染色体は性染色体の一つ。Y染色体検査では、無精子症など染色体について詳しく検査を行います。
Y染色体上の遺伝子的欠失を見つけることは、不妊治療を行うにあたってもとても重要なことです。
無精子症・乏精子症の治療を受ける場合は、できるだけY染色体検査を実施することが推奨されています。
Y染色体を受けるかどうかは、パートナーをよく話し合いましょう。
染色体検査では、採血によって染色体の異常を調べます。
染色体の異常は、不妊と大きく関係しています。
染色体の異常が、精子形成障害の原因になっているケースがあるのです。
とくに、精液検査で精子の量が少ないと判断された方は、染色体に異常がある可能性も少なくありません。
このような場合は、精液検査を受けた際に医師から染色体検査をすすめられることも多々あります。
精子の状態を詳しく調べられるのが、超音波検査です。
陰部に超音波を出すブローブを当てながら、精巣の大きさ・精路閉塞の有無・腫瘍の有無などを検査します。
精巣に問題がある場合、不妊の原因になっている可能性もあります。
精液に問題があった場合は、より詳しい検査をするために超音波検査を受けることをおすすめします。
妊娠を望む場合は、感染症の検査を受けることも大切です。
感染症検査では、B型肝炎やエイズなどに感染しているかどうかを調べることが可能。
感染症の種類によっては、不妊に関わっていることもあります。
また、感染症を患っている最中に妊娠した場合は、胎児に影響を及ぼす恐れがあります。
自分のためにも、これからの妊娠のためにも、感染症検査を受けておくとよいでしょう。
ホルモン検査では、血液を採取し精巣やホルモンの状態を検査します。
この検査では、精巣機能障害やホルモンの分泌状態を詳しく確認できます。
また、この検査は超音波検査と併行して行う方も多いようです。
どんな検査を行うかは、パートナーとよく相談することが大切。
不妊に関わる検査は自費となるものも多いので、しっかりと話し合ってください。
次に、実際の不妊検査の流れについて解説します。
病院によって検査方法や流れはさまざまですが、ここでは一例をチェックしていきます。
精液検査を行う場合は、事前に精液を採取します。
病院に提出する直前に、病院内で精液を採取するケースも多いですが、男性に精神的な負担がかかります。
自宅以外の場所で精液を採取することは「恥ずかしい」「嫌だ」と感じる方が多いのです。
病院での採取が嫌だと感じる場合は、自宅で精液を採取しましょう。
病院によって「自宅での採取がOK」かどうかは異なるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
自宅であれば、男性も周りを気にすることなく精液を採取できるでしょう。
ただし、精液の保管は温度管理が必要となります。
20度以下や 40度以上になると精子の運動が低下してしまう可能性があるので、十分注意してください。
採取後から提出までの保管方法は、医師の指示にしっかりと従うことが大切です。
血液検査や精液検査以外に、触診などの診察を行う場合もあります。
精巣のサイズなどを測り、参考の一つとするのです。
触診は人によって、負担を感じるもの。
いきなり触診されて「驚いた」「嫌だった」と感じた方も少なくありません。
触診は参考になる診察の一つではありますが、男性の精神的負担が大きい場合は無理をしないようにしましょう。
病院によって触診の有無はさまざまななので「触診をしたくない」という場合は、事前に病院に問い合わせてみてください。
また、触診をする病院であっても「したくない」と伝えることで、拒否が可能です。
ただし、触診も数ある検査の中の一つ。
原因判明のきっかけになることも多いので、嫌悪感がなければ受けておくとよいでしょう。
触診検査については、実際に検査を受ける男性の意思を尊重することが大切です。
精液検査や触診の検査のあとは、血液検査を行うことが多いです。
採血をし、血液検査を行うことで男性ホルモンや黄体化ホルモンなどを測定できるのです。
血液検査は、精液検査と同じくらい重要なもの。病院で検査をすすめられることも多いでしょう。
血液検査は精液検査や触診よりも抵抗がない方が多く、一般的な採血と変わりがないので心を楽に検査を受けることができます。
ホルモンの状態を調査したい場合は、積極的に血液検査を受けることをおすすめします。
また、検査の流れや方法は病院によってさまざま。
個人の状況に合わせて医師が検査を提案するので、基本的には医師の指示に従うようにしましょう。
検査によっては多額の費用がかかることもありますので、パートナーとよく話し合って受ける検査を決定してください。
男性の不妊検査は、どこで受けられるのでしょうか?
検査を受けられる場所を解説していきます。
産婦人科は、男性にとっては「行きにくい」と感じるかもしれません。
しかし、不妊治療を行うにあたり、夫婦で受診する人も多いです。
とくに、不妊治療に積極的に取り組んでいる病院であれば、男性も訪れやすいでしょう。
さまざまな産婦人科がありますが、パートナーとよく話し合って病院を決定してください。
不妊検査を行うことができるのは、産婦人科だけではありません。
男性生殖器の診察・治療などを行っている泌尿器科でも検査を受けることが可能です。
泌尿器科は男性の患者が多いため、産婦人科よりも気軽に訪れることができるでしょう。
ただし、検査結果が出て不妊治療を開始する場合は、泌尿器科で対応できないケースもあるので、注意が必要です。
数は多くありませんが、不妊を専門としているクリニックもあります。
不妊に関しての知識が豊富なので、安心して検査や治療をお任せできるでしょう。
また、中には男性専門のクリニックも存在します。
口コミや評判などを参考にしながら、自分に合うクリニックを選びましょう。
男性の不妊検査にもいろいろな種類があります。
どんな検査を受けるかは、それぞれの状況によって異なります。
まずは一度病院を訪れて「どのような検査を受けるべきなのか」相談してみましょう。
「不妊検査や不妊治療は女性が行うもの」という認識をお持ちの方も多いですが、男性に不妊の原因があるケースも存在します。
大切なのは、夫婦やパートナーとしっかり協力して取り組むこと。
不妊検査はもちろんのこと、結果が出たあとの治療もお互いをサポートしあいながら進めていくことが重要なのです。
そして不妊が考えれられる場合に、最初にすべきなのは検査を受けること。
女性・男性どちらかだけでなく、両方が検査を受けるようにしましょう。
また、検査は自費になることが多いので「検査にどのくらいのお金が使えるのか」もよく話し合ってくださいね。