2017.07.12

【月経異常】の原因は?どんな種類や薬があるの?

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「月経異常」の悩みを抱える女性が増えていますが、月経異常には、さまざまな種類があります。

正常な月経の周期、出血量、期間、症状などと比べ、何かしらの異常が発生している状態を「月経異常」と呼びますが、月経異常の症状や不快感は人によって違います。

重症になると、生理がくるたびに憂うつになり、日常生活もつらくなってしまうものですが、命にかかわるほどの症状ではないため、我慢をしてしまう人が多いようです。
しかし、月経異常が続く場合、重い病気が隠れていることもあります。

異常を感じたら、早めに検査をして、早めに治療を行うことが大切です。

◆ 月経異常について

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月経周期の正常な範囲は「25~38日周期」です。
この範囲よりも長い場合、もしくは短い場合に異常があると判断されます。

月経時の血液量の正常な範囲は「20~140ml」ですが、この出血量の範囲を外れて多い・少ない場合、異常の疑いがあります。
また、月経の持続期間(正常な範囲は3~7日間)も、極端に長い・短い場合には異常があると言えます。

月経前や月経時に現れる不快症状についても、日常生活に支障をきたすほどであれば、異常を疑ってもいいでしょう。

ほかにも初潮のタイミングが遅い・早い、閉経のタイミングが遅い・早いといった年齢によるものも月経異常として分類されます。
こうした月経異常は、どれか1つだけ現れる人もいれば、複数同時に現れる人もいます。

◆ 月経周期による異常と経血量の異常

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1. 頻発月経

月経周期の間隔が24日以下で、主な原因は黄体機能不全・無排卵月経などです。

2. 稀発月経

月経周期の間隔が39日以上で、主な原因は多嚢胞性卵巣症候群・精神的なストレス・過度なダイエットがあげられます。

3.無月経

月経がなかなか来なくなり、3か月以上止まったままの場合は無月経と診断されます。

4. 不整周期

周期ごとに間隔が大きく変動するような場合は、不整周期の疑いがあります。

5. 過多月経

生理中に頻繁に下着が汚れてしまうほどの量(経血量140ml以上)、また、レバーのような塊が血中に混じることもあります。
主な原因には、子宮筋腫や子宮腺筋症、血液凝固障害などがあります。

6. 過少月経

経血量が20ml以下で、月経なのかどうかを判断できないほどの経血量しかない場合。
主な原因は子宮内膜炎の後遺症、子宮発育不全などです。

◆ 月経の期間と不快感の差異

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月経の持続期間は3~7日間が正常で、それよりも長いか短いで分類されます。

1. 過長月経

持続期間が8日以上の場合で、長い人では2週間近く続くこともあります。
主な原因は、子宮筋腫や子宮腺筋症、血液凝固障害などが考えられます。

2. 過短月経

持続期間が2日以内で終わる場合で、月経があったかどうかもわからないほどになるので注意が必要です。
主な原因は子宮内膜炎の後遺症、子宮発育不全などです。

月経前や月経中には、多くの女性がなんらかの不快症状を感じますが、それらが日常生活に支障をきたすほどになった場合に、月経異常と診断されます。

3. 月経前症候群(PMS)

月経が始まる3~10日前に身体的・精神的な不快症状が起こるものをいいます。

イライラしたり怒りっぽくなったり、おっぱいや頭、お腹の痛みなど、症状は人によって異なります。
主な原因はホルモンバランスの乱れで、月経が始まると症状が治まるのが特徴です。

4. 月経困難症

月経直前から月経中にかけて現れる不快症状で、主に下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気などが見られます。

通常の生理痛に比べて、寝込んだり動けなくなったりなど、日常生活に支障をきたすかどうかが判断基準になります。
子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系の病気が原因の場合と、ホルモンバランスの乱れなどが原因になる場合があります。

◆ 月経異常の原因

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月経周期は、女性ホルモンの分泌量の変化によって生み出されます。
「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンが交互に分泌量を切り替えながら働いています。

身体的・精神的なストレスの影響によりホルモンバランスが乱れ、月経に異常をもたらすことがあります。
ホルモンバランスの乱れが原因であれば、それを整えることで月経異常も改善されます。

しかし、そのまま放置しておくと、無排卵になってしまうなど、不妊症の原因にもなるので注意が必要です。

◆ 月経異常の治療

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月経異常の可能性があるときは、まず婦人科できちんとした検査を受けましょう。

月経異常は、他の疾患によるものではない限り、ホルモンバランスの乱れが原因です。
ホルモンバランスの乱れなどを整えるためにホルモン剤を使ったり、ピルを使用して生理周期を整えたりする薬物療法が行われます。

最近は、ホルモンバランスの乱れを整えるために、低用量ピルを使用する女性も増えています。
低用量ピルを飲むと、月経周期が安定するだけではなく、ホルモンバランスの乱れが原因のニキビや肌荒れも改善することも期待できます。

月経異常の種類や原因によって治療法は異なるので、医師の指示に従って治療に臨むようにしましょう。

まとめ

女性の社会進出が活発になり、女性の生活習慣も大きく変わっています。
その結果、ストレスにさらされることが多くなり、過度なストレスによってホルモンバランスが乱れ、月経困難症や月経前症候群を発症する患者が増加しています。

長く続く場合は重い病気が隠れていることもあります。
月経異常は体からのSOSととらえ、異変を感じたら日常生活を見直し、ひどい場合には病院を受診してください。

早めの検査、早めの治療が大事です。

自分の生理の状態を把握して、自分の体を守ってあげてください。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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