2017.08.07

化学流産とは?症状と原因、流産後の妊娠はできる?

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化学流産は、英語では「Biochemical pregnancy(バイオケミカル・プレグナシー)」、もしくは「Chemical pregnancy(ケミカル・プレグナシー)」と記され、”生化学的妊娠”と訳されています。

エコー検査で胎嚢が確認されると、臨床的に妊娠しているとされていますが、血液検査や尿検査で陽性反応が出たものの、胎嚢が確認できない状態、つまり受精・着床はしたものの、着床が持続できなかった状態を化学流産といいます。

化学流産は一般的な流産とは異なり、ほとんどの女性が経験しているとされるほど確率の高いものです。
生理の遅れや、いつもより少し重い程度の症状がほとんどで、本人も気が付かないケースがあります。

化学流産とはどのような症状なのか、原因は何かになどついてまとめました。

◆ 化学流産とは?

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化学流産とは受精したものの着床が続かなかった状態で、いわゆる「切迫流産」のようなはっきりとした症状のある流産ではありません。

精子と卵子が受精し、受精卵が子宮内膜に着床することで妊娠が成立しますが、順調に発育すると6週ほどで胎嚢が見られるようになります。
しかし、発育が途中でとまり、6週過ぎても胎嚢が確認できない場合は、化学流産の可能性があると考えられます。

かつては、生化学的妊娠の段階では妊娠反応が陽性になりませんでしたが、妊娠反応の感度が高くなり陽性反応がでるようになったために、「化学流産」という概念が一般にも浸透するようになりました。

◆ 化学流産の症状

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流産というと、強い腹痛や出血を思い浮かべますが、一般的な流産とは違い、切迫流産のような症状はありません。
個人差があるものの生理が少し遅れた、生理が少し重い、塊のようなものが出た…など、いつもの生理とは少し違うこともありますが、自覚症状もほとんどなく、本人が気づかないことも多いようです。

手術も必要なければ、そのまま放置しておいても、とくに問題はありません。
ただ、妊娠検査薬で陽性反応が出たのに胎嚢が確認できなかった場合は、子宮外妊娠の可能性もあるため、できれば産婦人科で診てもらった方がいいでしょう。

◆ 化学流産の原因

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流産のおよそ98%が、12週までの初期に起こります。
着床しても妊娠が継続しない理由は、ほとんどが受精卵の染色体異常といわれています。

受精卵の約45%には染色体異常があるといわれており、受精卵や胎児側の染色体異常による流産は、残念ながら防ぎようがありません。

しかし、多くの女性が経験しており、着床が成功の兆しを見せたということを考えれば、妊娠の可能性が期待できると考えられます。
化学流産の後には、通常通り生理が来るようになりますし、すぐに次の妊娠をすることも可能ですので、前向きにとらえるようにしましょう。

まとめ

せっかく受精・着床したのに育たなかったことは、とても残念なことですが、自然淘汰による防ぎようのないのが化学流産です。
化学流産したということは、卵子と精子がしっかりと受精し、1度は着床したという事実がありますので、決して落ち込む必要はありません。

精神的ショックで落ち込んでしまうことの方が、妊活にはマイナスです。

人間は避妊をしなければ80%程度は受精するといわれています。
しかし着床となると、その確率は半分以下となり、妊娠できる確率はわずか20%程度にまで下がります。

誰にでも起こりうる不運であり、誰のせいでもありません。
化学流産を繰り返したとしても、不育症というわけではありません。
ですから、さほど気にする必要はありません。

ただ、何度も繰り返す場合は、不妊症の一つである「着床不全」を起こしている可能性もありますので、一度、婦人科で検査を受けることをおすすめします。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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