2017.07.13

【漢方で妊娠体質に!】妊活・不妊症改善のための漢方治療!費用や期間は?

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「漢方薬による体質改善で、妊娠できた」という人が、意外に多くいます。

漢方薬は、体の根本治療を行うことで、より治療の効果を高めようというものです。

不妊治療に効果があるとされるのはどのような漢方薬か、使用上の注意点や副作用なども含めてまとめてみました。

◆ 漢方による不妊治療ってどんなもの?

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不妊治療専門の医療機関でも、治療に漢方を取り入れているところが増えています。
西洋医学で異常なしとされる場合や、異常はあるものの機能的なもので治療する方法がない、または難しい場合などに、漢方薬が用いられるケースがあります。

漢方は体全体を治す総合医療です。
子宮・卵巣の状態にとらわれず、まずは体全体を診て「妊娠しやすい体づくり」を目標にしています。
卵子の老化に負けない妊娠力を高める体づくりが、漢方不妊治療です。

◆ そもそも漢方って何?

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漢方とは、中国から伝わった医学が、室町時代から江戸時代前期にかけて、日本で独自に確立した治療方法です。
西洋医学と違って、病気になった箇所を直接治療するのではなく、個人それぞれの体質に合わせて体全体を調整することで、症状を改善に導くという考え方です。

漢方薬は医師が腹診、脈診、舌診などで体力の強弱や体質などを判断し、植物(草根木皮)や動物、鉱物など自然界に存在するもので作られた「生薬」を2種類以上組み合わせて作ります。
同じ病気であっても、体質や体型、抵抗力、自覚症状が人によって異なるため、一人ひとりにあった漢方薬が処方されます。

◆ 漢方薬の特徴

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漢方薬は、体質を改善する事を目的として使われるのが基本となり、西洋薬と比べると効果や効き目は穏やかなものが多いのが特徴です。

西洋薬より副作用も少なく、強い症状が急激に起こることはあまりありませんが、不妊に効果があるとされる漢方薬も多く、男性・女性ともに症状の改善が見られたというデータもあります。
西洋薬の欠点を漢方薬が補うという使い方や、併用することでお互いの作用を高めるといった使い方が多くなっているようです。

◆ 漢方薬に副作用はないの?注意点は?

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・漢方薬の副作用

穏やかな効き目の漢方薬は、副作用が少ないというイメージがありますが、まったくないというわけではありません。
体質によって合わないことや、効きすぎてしまうことで、じんましんや発熱、むくみ、動悸、不眠、食欲不振といった症状を引き起こすこともあります。

・漢方薬の注意点

注意してほしいのが、薬局やドラッグストアでも購入できるため、自己判断で漢方薬を服用することです。

漢方薬は症状だけに合わせて処方されるものではなく、その人の体調や体質にあったものでなければ効果が期待できませんから、漢方薬の取り扱いのある産婦人科で医師に相談するか、漢方医のいる専門薬局で処方してもらうようにしましょう。

◆ 漢方薬って不妊に効果があるの?

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人にはそれぞれ生まれ持った先天的な体質と、後天的に作られる体質があります。
先天的な体質を変えることはできませんが、後天的な体質を改善することで元々の弱点を補い、丈夫な体をつくることができると漢方医学では考えられています。

漢方治療では、不妊の原因がホルモンバランスなのか、冷えなのか、月経前症候群にあるのかなどを特定し、それを根治するために必要な漢方薬が何かを探ります。
血が体に少ない「血虚(けっきょ)」、流れが悪い「瘀血(おけつ)」、消化器系の働きが悪く栄養が体に取り込めない「気虚(ききょ)」などを漢方薬で改善することで、不妊の症状を解消していきます。

◆ 不妊治療に用いられる漢方薬

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● 当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)

ホルモン物質の分泌機能や能力の改善効果があり、排卵誘発効果もあります。
一定期間当帰芍薬散を服用した場合の排卵率は40~70%と、比較的高い効果が期待できるとされ、また、骨盤内の結構改善効果もあるため、冷え性、生理痛、更年期障害の治療にもつかわれます。

● 加味逍遙散 (かみしょうようさん)

月経前症候群の治療にも使われることで知られていますが、エストロゲンやプロゲステロン等のホルモン物質の分泌量を改善する作用があり、子宮内膜の増殖、卵胞の発育が良くなる効果があります。

● 温経湯 (うんけいとう)

脳下垂体に働きかけてゴナドトロピンの分泌を促す効果があり、一般的には冷え性の改善などにも処方されている薬なので、副作用はほとんど見られません。

● 補中益気湯 (ほちゅうえっきとう)

体力低下や疲労などによる造精能力の低下を改善する効果があります。
疲れやすい人や体力があまりない人に有効で、精巣上体のタンパク合成機能を向上させる作用があり、運動率の高い精子を増やし受精率を高める効果が期待できます。

● 八味地黄丸 (はちみじおうがん)

造精機能を高める働きがあり、主に軽度の乏精子症などの場合に効果がみられ、服用することで精子の数が増え精子濃度が上がるために受精率も高くなります。

● 桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん)

精索静脈瘤ができやすい体質の人に効果的で、血流の改善効果が高い漢方薬です。

まとめ

漢方と西洋医学にはそれぞれ得意・不得意とする分野があります。
手足の冷えや体の疲れ、胃腸の不調など、病気に向かいつつある状態を「未病」といいますが、漢方薬は少しずつ体質を改善していくため、未病に対してきわめて有効だと考えられています。

一方で、手術可能な疾患や細菌感染に対しては、不調を起こしている局部を治す西洋医学の方が合っているようです。

不妊に悩むと、そのストレスでさらに体のバランスを崩してしまうこともあります。
そんなときに、強い味方となってくれそうなのが漢方薬ではないでしょうか。

漢方薬は体質によって処方される内容が違います。
まずは医師や漢方医に症状を相談し、自分の体質を知ったうえで、適切な漢方薬を処方してもらいましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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