沖縄といえば、青い海に白いサンゴ礁など、日本を代表するマリンレジャー基地として有名ですが、本土の各地域とは、異なる文化や風習が色濃く残っています。
たとえば、神社や寺院にある狛犬ですが、沖縄の神社には狛犬ではなくシーサーが本殿前で睨みをきかせています。
シーサーは沖縄県に古くから伝わる伝説の獣の像で、家や人、村に災いをもたらす悪霊を追い払う守り神として信じられています。
また、沖縄では神社や住宅の屋根に、「赤瓦」が使われていますが、これも沖縄特有のものです。
そんな沖縄の子宝パワースポットも、本土はちょっと違うユニークなものばかりです。
沖縄県沖縄市泡瀬にある泡瀬ビジュルは、子宝のパワースポットとして有名な神社です。
“ビジュル”とは、十六羅漢の第一尊者の名前で、沖縄では信仰の対象とされる霊石のことで、18世紀後半、漁に出た男が海に浮かぶ霊石を持ち帰り、神様として祀ったのが始まりとされています。
多くは人形(ひとがた)をした自然石で、陰陽一対で神殿に安置し、子宝祈願・無病息災・豊作・豊漁、航海安全、交通安全などを祈願してきたそうです。
泡瀬は、沖縄本島中部・沖縄市にある海に面した地域で、泡瀬干潟というサンゴ礁の礁湖で出来た干潟で、潮干狩りが盛んな所としても知られています。
泡瀬ビジュルでは旧暦の9月9日に例祭が執り行われ、多くの参拝者が訪れますが、特にこの日はパワーが強くなるそうです。
子宝神社として有名な泡瀬ビジュルには、子宝のご利益があるとされるねずみの絵が描かれた「子授けお守り」と、戌の絵が描かれた安産のお守りがあります。
このお守りを、いつも身に着けて持ち歩いていたところ、待望の赤ちゃんを授かったという報告が、数多く寄せられているそうです。
お守りは、夫婦で1つずつ持ち、それぞれが強く願うことで、よりご利益が得られるとも言われています。
また、入口左手の送水所で、柄杓1杯分の水を飲み干すと、神様からのパワーが強くなり、より願いが叶うそうなので、参拝の際には、こちらもお忘れなく。
沖縄地方では、参拝は午前中、早めの時間にお参りすると、よりご利益があるとされているので、参拝は、朝の清々しいうちに済ませましょう。
また、名前、住所、生年月日などのプロフィールを、神様にお伝えするとより強いご利益・パワーが授かれるとされています。
泡瀬ビジュル
住所:沖縄県沖縄市泡瀬2-1
電話:098-939-4501
交通アクセス:バス停「普天間」より約1分
公式HP:なし
米軍・普天間基地の近くにある神社で、沖縄県中部最大の聖地として参拝者が多く、宜野湾市文化財「名勝」に指定されている普天満宮洞穴や、入口に咲く沖縄の桜「緋寒桜」など、沖縄らしさあふれる神社です。
創建は、普天満の洞窟に琉球古神道神を祀ったことに始まり、尚金福王から尚泰久王(1450~60年)の頃に、熊野権現を合祀したと伝えられています。
琉球王国において「琉球八社(官社)の制」により、王府から特別の扱いを受けた琉球沖縄八社の一つで、今なお多くの参拝者が訪れる沖縄県屈指の観光スポットとしても知られています。
普天満宮といえば、鍾乳洞の存在を抜きに語ることはできません。
全長280mの洞穴内には、神秘的な空間が広がり、現在はその中の一部、およそ50mが一般公開されています。
ただし、勝手に入ることはできません。
社務所で記帳し、見学を申し出ると、巫女さんが洞内を案内してくれます。
尚、洞窟内には白鶴岩、明王石、獅子座などと名付けられた八つの霊石をはじめ、周囲が4mもある極太の石柱を見ることができますが、その中の極太の石柱を見ると、ここが沖縄の有名子宝スポットであることを実感することができます。
その石柱の形は、見れば見るほど、男性のシンボルにそっくりな形をしているからです。
さらに、普段は近づけない奥宮は、「夏越の大祓」の時だけ、「母胎をくぐり抜けて生まれ変わる」という意味を込めた神事「洞窟くぐり」として、奥宮の先の出口へと通り抜けることができます。
普天満宮
住所:沖縄県宜野湾市普天間1丁目27-10
電話:098-892-3344
交通アクセス:那覇バスターミナルから21・23・27・90番系統の路線バスで「普天間」下車、徒歩3分
公式HP:http://futenmagu.or.jp/
玉泉洞公園にある珍珍洞(イキガ洞)。
沖縄県南城市にある玉泉洞公園にある鍾乳洞に、子宝に恵まれるという言い伝えがある変わった鍾乳石が存在します。
イキガ洞という鍾乳洞で、それまでは”珍珍洞”と呼ばれていました。
発音するのが恥ずかしくなるような名前ですが、それは、鍾乳洞の中へ入ってみると納得することができます。
洞窟の長さは約180mで、中央部の鍾乳石(つらら石)は、すべて斜めを向き、下流方向へ曲がっている、特殊な形状をしています。
このような形状は、川の流れによって生じたということですが、なんと、この鍾乳石のなかに、男性のシンボルにそっくりな形をしたものがあります。
男性シンボルにそっくりな形状の鍾乳石にお祈りをすると、子宝に恵まれると伝えられています。
それにしても、自然が作り出した造形とはいえ、このリアルさには感心させられます。
そして、そのものズバリ、珍珍洞と呼んでいたということですから、そのおおらかさには敬服させられます。
ただ、あまりにも直接的すぎるということで、今はイキガ洞と呼んでいて、「イキガ」というのは、沖縄の方言で「男性」という意味です。
ちなみに、女性を「イナグ」といいますが、イキガ洞のすぐ近くに、イナグ洞という鍾乳洞があります。
それまでは、満満洞と呼ばれていたそうで、こちらには、女性器を想像させる形状の鍾乳石があるそうです。
現在、落盤のため立入禁止となっていますが、自然が作り出した神秘的な形状の鍾乳石が、近くにあるということに、神秘なパワーが潜んでいるのかもしれません。
イキガ洞(珍珍洞)
住所:沖縄県南城市玉城字前川202番地
電話:098-948-4192
交通アクセス:琉球バス前川線、玉泉洞線、玉泉・糸満線で「玉泉洞前」下車、徒歩1分
公式HP:なし
沖縄本島北部、本部半島から北西9㎞沖にある伊江島に、不思議な言い伝えのあるニィヤティヤ洞があります。
島の南西部の海岸線には多くの洞窟がありますが、島の玄関口である伊江港から西へ3.5㎞ほどの場所にあり、地元の人々からは子宝祈願にご利益のある御嶽(うたき、沖縄古来の祈祷所、聖地のこと)として信仰を集めています。
沖縄の方言で「ニャ」は貝のこと指し、「ティヤ」は墓、つまり「ニィヤティヤ」とは、貝塚を意味するといわれています。
別名「千人洞」とも呼ばれ、太平洋戦争中、多くの人がこの洞窟に身を隠したそうです。
したがって、島の人にとっては、ここは古くからある聖域。
洞窟内のいたるところに拝所があり、島の人々が度々訪れては拝み、祈りを捧げている神聖な場所です。
洞窟内部には「亥之方男神」と「戌之方女神」の男女神がそれぞれ祀られており、かたわらには子授けの神と崇められる「ビジル石」が供えられています。
この「ビジル石」を、子宝を願う女性が持ち上げると、子授けのご利益があると言い伝えられていて、持ち上げて軽いと感じれば女の子、重いと感じれば男の子に恵まれるそうです。
また、洞窟を奥に進むと青い海とつながっている大きな穴から、朝の光が差し込み、角度によってハートの形や、光の加減によっては超音波で捉えた胎児にも見えるそうです。
ニャティヤ洞は、沖縄戦の激戦地だった伊江島で、大勢の住民が命をしのいだ場所としても知られています。
ここで、いくつもの命が救われ、新しい命が授けられてきたということを考えれば、かなり有力な子宝スポットと言えるのではないでしょうか。
ニィヤティヤ洞
住所:沖縄県国頭郡伊江村川平
電話:0980-49-2001(伊江村商工観光課)
交通アクセス:伊江港から西へ車で約10分
公式HP:なし
沖縄県国頭郡にある、世界遺産にも指定されている有名な観光スポットです。
実はここが、沖縄有数の子宝スポットとして、地元・沖縄県民がお勧めする場所です。
この場所には、その昔、天子孫の三男二女が生まれたという伝説が残されています。
また、本部大主(ウフヌシ)の乱の時に、志慶真乙樽が王子丘春を抱いて一夜を明かしたとの伝説もあるそうです。
こうした伝説に包まれている地点ですから、かなりご利益も期待できそうですね。
沖縄旅行の際には、ぜひ立ち寄ってほしい子宝スポットのひとつです。
ここには、まだまだ伝説があります。
それは、プトキノイッピャの洞穴で、なかなか子宝に恵まれない夫婦が、旧暦の5月と9月の各25日に、重箱を携えてお参りしたそうです。
その帰りに洞穴内にあるエダサンゴを持ち帰り、それをふところにして同衾すると子宝に恵まれたという言い伝えです。
沖縄の人には、今でもそれが信じられており、参拝して子宝に恵まれたという話も、数多く聞かされます。
その評判がどんどん広まり、今では、全国からも参拝客が訪れる、沖縄の有力な子宝パワースポットとして知られるようになっています。
プトキノイッピャ(今帰仁城跡)
住所:沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊5101番地
電話:0980-56-4400(今帰仁城跡)
交通アクセス:本部循環線今帰仁村字今泊「今帰仁城跡入口」下車、徒歩15分
公式HP:なし
以上、子宝のパワースポットとして有名な沖縄県の神社・スポットをご紹介しました。
お参りしたら必ず子供を授かるということではありませんが、多くの妊活女性が訪れるパワースポットですので、近い神社や興味がある神社・お寺・スポットがあればぜひ足を運んでみてくださいね!