大阪といえば商人の街ですから、商売繁盛の神様が数多く祀られています。
また、商売を永続させるためには、後継ぎとなる子宝にも恵まれる必要があります。
そのため、子宝スポットも多く、なかには”子授け穴地蔵”という、隠れた有名スポットもあります。
そんな浪速の有名子宝パワースポットを、厳選して5か所選びました。
大阪で初詣といえば、「すみよっさん」という答えがすぐに返ってくるほど、親しまれている神社です。
正月三が日の参拝客数は200万人を超え、まさに大阪を代表するスポットで、全国にある住吉神社の総本山でもあります。
第14代仲哀天皇の妃である神功皇后 (じんぐうこうごう)と深い関わりがあり、神功皇后が新羅平定後の凱旋の途中に、住吉大神のお告げによって、この住吉の地に祀られることになったと伝えられています。
神功皇后は身籠ったまま出陣し、無事帰還した後に、男の子御(後の応神天皇)を出産したことから信仰を集め、妊婦が安産の帯を締めて安産を願うという風習が、今に伝わっているとされています。
住吉大社の境内の末社に「種貸社(たねかししゃ)」という社があります。
元々は五穀の種を授かるための社で、五穀豊穣や商売繁盛のご利益があるそうですが、稲種を授かって豊作を祈るという信仰が元となり、子宝のご利益もあるとされています。
住吉大社での子宝祈願の際に授与される「種貸人形」は、ふくよかな女性が優しい顔で赤ちゃんを抱っこしている置物ですが、子宝のご利益があるとして、妊活中の方にとても人気があります。
また、住吉大社は一寸法師ゆかりの地でもあり、子宝に恵まれなかった初老の夫婦が、住吉大社にお参りをした後に授かった子どもが、一寸法師とされており、子宝パワースポットにふさわしいエピソードが、たくさん残されている神社です。
摂津国一宮 住吉大社
住所:大阪市住吉区住吉2丁目9-89
電話:06-6672-0753
交通アクセス:南海鉄道「住吉大社駅」より徒歩3分、阪堺線「住吉鳥居前駅」より徒歩すぐ
公式HP:http://www.sumiyoshitaisha.net/
全国にはいろいろな神社仏閣があり、それぞれ多種多様な神様が祀られていますが、大阪の日根神社は、全国でも珍しい”枕の神社”として知られています。
本殿には神様が夫婦で祀られており、2人には4人の子どもがいて、兄弟4人が力を合わせて国を一つにまとめたとされています。
そのエピソードから、村の娘たちが「立派な子どもが授かりますように」と願いを込めて”枕”を作るようになり、神社に奉納するようになったそうです。
「枕」の語源は、「真座」(ま・くら)あるいは「魂蔵」(たま・くら)といわれ、「真座」の「真」は神霊、「座」は神様が座る場所を指し、神様を招くために頭を乗せる場所という意味があるそうです。
「神様を招くための場所」という意味を持つ枕は、昔からとても大切なものでした。
村の娘たちが縁結び、子授けの願いを込めて奉納した枕には、特別なご利益があると信じられ、子宝に恵まれない村人の中にはこの枕を盗む者までいたそうです。
この、神社の奉納された枕を祭りの幟につけて練り歩いたのが「まくら祭り」の始まりです。
また、境内のひっそりと佇む、男性器を象徴したような形状の石がありますが、いつごろ、どんな目的で造られたものなのかは定かではありません。
しかし、日根神社が子授け祈願の神社であることから、子宝を願う人たちが、「枕」を奉納するとともに、この石に子授けを祈願していたようです。
日根神社
住所:大阪府泉佐野市日根野631-1
電話:072-467-1162
交通アクセス:JR阪和線「日根野駅」より犬鳴山行きバスで「東上(ひがしうえ)」下車すぐ
公式HP:http://hine-jinja.jp/
日本の陶器の祖・須恵器の発祥地である大阪府堺市中区上之に鎮座しているのが、”陶器のえびす様”と呼ばれているのが延喜式(905年制定)に記されている陶荒田神社です。
紀元前90年の崇神8年に、崇神天皇によって創建されたと伝えられ、1月の初戎祭には、陶工や製造業者、販売業者らで大賑わいとなります。
この周辺は、後に陶器村と称されるほど、5世紀頃には既に陶器の生産が盛んとなり、主神の嵩魂命五世の子孫にあたる荒田直が、祖先の霊を祀るために社を建てたことから、地名の陶と人名の荒田から「陶荒田」と称されるようになったとされています。
“陶器のえびす様”と親しみを込めて呼ばれている陶荒田神社ですが、弁天様も祀っているため、子宝スポットとしても知られています。
弁天様といえば、信仰の厚い女神様で、「子授けの弁天様」とも呼ばれています。
しかも、陶荒田神社で行われる”子授け弁財天大祭”では、子宝のご利益があるとされる「子授けの福餅まき」があります。
祭りの日には、この福餅を手に入れようと、多くの夫婦やカップルが訪れますが、子宝のご利益は、祭りの日だけではありません。
祈祷を申し込むと、子授け弁天様のお札や子宝のお守り、子授けの姫達磨、さらに紅白の子授け餅などを授与品として受け取ることができます。
陶荒田神社
住所:大阪府堺市上之1215
電話:072-237-0401
交通アクセス: 泉北高速鉄道「深井駅」から南海バス・あみだ池行きの「上之」下車すぐ
公式HP:なし
宇迦之御魂大神(うがのみたまのおおかみ)をご祭神とする玉造稲荷神社は、衣食住を司る神、稲の精霊、穀物の神として、古くから信仰されてきた神社です。
農耕民族である日本人は、古来より「米」を命の根源として崇め、自然を畏敬し、稲荷神社に豊作を祈願してきました。
稲荷神のご利益が、主に商売繁昌・事業発展・家内安泰・子孫繁栄とされているのは、「米」が豊かさの象徴であり、貨幣と同じように扱われていたからです。
その玉造稲荷神社こそ、大阪人が勧める、子宝パワースポットなのです。
社殿の前に「なで子持曲玉石」があります。
玉のなかでも特異な玉が曲玉(勾玉=まがたま)で、子持勾玉は古代5世紀頃に出現し、御魂の増殖に連がるものと考えられ、稲の豊作の占いに用いられていたそうです。
子孫繁栄、子授け、芸能向上、事業振興にご利益があるとされており、撫でると効果があるようです。
曲玉石の形が胎児に似ていることから、子授けや子孫繁栄のご利益があるとなったそうですから、願いを込めて、しっかり撫でておきましょう。
さらに数種類のお守りがありますが、お薦めの子宝グッズは「子持曲玉土鈴」です。
玉造稲荷神社
住所:大阪市中央区玉造2丁目3-8
電話:06-6941-3821
交通アクセス:JR大阪環状線「玉造森ノ宮駅」より徒歩5分
公式HP:https://www.inari.or.jp/
慈眼寺は、今から1300年ほど前、十一面観音を安置したのが、始まりとされています。
幾度もの戦乱によって消失し、本尊の観音様だけが残されていましたが、元和2年(1616)に再興されました。
慈眼寺の十一面観音は、野崎観音とも呼ばれていますが、それは、元禄宝永ごろに「野崎詣り」が盛んになり、より多くの人々に親しまれるようになったからのようです。
毎年、5月に行われる無縁経法要は、有縁無縁すべてのものに対し、感謝の読経を捧げる行事で、「野崎詣り」の通称で知られています。
大勢の参拝客で賑わうかつての「野崎詣り」は、大坂から川を遡り、生駒山の麓の深野池まで舟で行くという光景が見られ、人形浄瑠璃や落語の演目でも、その光景が語られるほど有名です。
この慈眼寺(野崎観音)の十一面観音には、縁結び・安産・子授けのご利益があるといわれており、古くから子供を願う夫婦の子授け祈願の場所として信仰されてきました。
また、本堂の隣に「江口の君堂」があり、官女風の姿で凛とした表情の江口の君堂が鎮座しています。
江口の君は女性を守る神様で、縁結び・安産・子授け・婦人病などの女性の悩みを改善するご利益があるとされています。
江口の君堂を左から右へ、自分の年の数だけ回るとご利益が授かるとされており、月命日の毎月14日には、多くの方が参詣に訪れています。
慈眼寺
住所:大阪府大東市野崎2丁目7-1
電話:072-876-2324
交通アクセス:JR学研都市線「野崎駅」より徒歩8分
公式HP:http://www.nozakikannon.or.jp/
以上、子宝のパワースポットとして有名な大阪府の神社をご紹介しました。
お参りしたら必ず子供を授かるということではありませんが、多くの妊活女性が訪れるパワースポットですので、近い神社や興味がある神社・お寺があればぜひ足を運んでみてくださいね!