栃木県といえば、煌びやかな日光東照宮が有名ですが、そこからも少し足を延ばすと、山の中に自然に包まれた、知る人ぞ知るパワースポットもあります。
また、子宝スポット、子宝アイテムには「石」が多いのですが、栃木には「岩」の子宝スポットがあり、武茂川沿いの女陰の形をした自然石・奇岩がそれで、「御前岩(ごぜんいわ)」と呼ばれています。
日光には、全国屈指のパワースポットが集中しているため、子宝スポットも数多く存在しています。
地元で人気の子宝スポット5選をお届けします。
古来より霊場名刹として、殊に安産・子育の地蔵尊として、地蔵信仰の総本山とされているのが延生山城興寺です。
天正12年(1584)に堂塔伽藍を全焼し、その折に記録も消失してしまったため、創建の詳細についは不明ですが、1000年以上もの歴史を有している古刹です。
後陽成天皇の御代、宇都宮城主蒲生飛弾守秀行が権勢を奮っていた時代、各地の寺院を襲い、城興寺の地蔵菩薩も奪おうとしたものの、一尺七寸の木像は大磐石の如く動かず、秀行は大勢の兵を集めて無理に宇都宮城に移したものの、城がにわかに振動し始めたため、恐れをなして元に安置したと伝えられています。
この地蔵菩薩は、東大寺南大門の金剛力士像で知られる、仏師「運慶」の作品と伝えられているほか、山岡鉄舟の直筆の書も所蔵されているなど、隠れた見どころがいっぱいです。
昔、ある帝のお后が懐妊したものの、出産の予定がきても一向に産まれる様子がなく、心配した帝は、いくつもの神社仏閣に子宝&安産の祈祷をしたそうです。
ある日、帝の枕元に一人の僧侶が立ち、「女人の安産は地蔵菩薩の大きな願いのひとつじゃ。ひたすらこの地蔵を頼り拝みなされ」と告げたと言います。
帝が地蔵菩薩を拝み続けたところ、幾日もしないうちにお后は玉のような皇子を出産。
帝はそのお礼に地蔵菩薩をつくらせ、城興寺に安置させたというものです。
出産の日が延びても安産だったので、その地を「延生」と名付け、お城は皇子が生まれたことで隆盛繁栄するであろうと、寺の名前を「城興寺」にしたそうです。
1000年以上も前から子宝祈願、安産祈願の対象として親しまれてきた城興寺の延生地蔵尊ですから、きっとご利益をいただけるのではないでしょうか。
城興寺
住所:栃木県芳賀郡芳賀町大字下延生1641番地
電話:028-678-0422
交通アクセス:JR「宇都宮駅」からJRバス水橋経由祖母井方面行きに乗車、「延生地蔵尊前」下車、徒歩1分。
公式HP:http://www.nobujizouson.jp/
弘仁11年(820年)に弘法大師がひらいたとされる岩崎観世音は、岩崎山の中腹に馬頭観音と、岩の裂け目にある鶴の子観音が奉られていて、この鶴の子観音が子宝のご利益があると、評判になっています。
子授け安産の観音様は、岩崎観音奥の院の小さな祠の中に安置されており、本堂の左手にある階段を上ったところにあります。
岩崎観音の言い伝えでは、昔、この地にあった池の畔に大きな松の木があり、一羽の真っ白な鶴が営巣していたそうです。
村の若者数人が松の木に登り、鶴が産んだ卵を持ち帰り、ゆで卵にして食べようとすると、白髪の老人が現れ「あの鶴は神様だ。その卵を食べるとはとんでもない。親兄弟まで観音様の祟りが及ぶぞ」と言ったそうです。
若者たちはびっくりしてすぐに卵を戻し、岩崎山に籠り絶食して懺悔したそうです。
すると、若者たちがいつものようにお祈りをしていると、松の木から金色の観音様を背に乗せた真っ白な鶴が飛び立ち、岩崎山の中腹に消えていったそうです。
この話を聞いた村人たちは、山の中腹にお堂を立て、お祀りしたそうですが、そのお堂が今の岩崎観世音奥の院「鶴の子観音」で、子授けの神様として有名になったそうです。
毎年3月の最終日曜日に「岩崎観世音大祭」が開かれますが、この大祭がちょっとユニークです。
子宝を願う夫婦に卵1個を授け、その卵を食べて子どもが授かれば、翌年にはお礼に卵2個を持参して参拝するというものです。
この行事は、400年以上も続いているもので、岩崎観世音大祭には、子宝の卵を授かろうと、日本各地から夫婦やカップルが訪れるそうです。
岩崎観音
住所:栃木県日光市岩崎1686
電話:0288-22-1525(日光市観光部観光振興課誘客推進係)
交通アクセス:JR「文挾駅」より徒歩20分
公式HP:なし
1300年以上の歴史を有する栃木県の古峯ヶ原(こぶがはら)にある古峯神社は、日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀りっており、地元の方々に親しまれてきた神社です。
別名「天狗の社」とも呼ばれていて、御祭神の使者である天狗は、厄災を防ぐとして古くから信仰を集めており、神社内には多くの天狗の面や威儀物(火ばし、下駄、わらじ、天狗人形)が飾られています。
霊験あらたかなパワースポットとしても有名で、御朱印マニアの間では、「古峯神社の御朱印は凄い」と評判になっています。
御朱印は14種類あり、天狗の社と呼ばれるだけに、さまざまな天狗が描かれていますが、中には御朱印の域を超えた、イラストのような御朱印もあります。
御朱印と同じように評判なのが、子宝の御守りです。
銀杏の殻を加工し、その中に小さなお人形を入れた御守りですが、見た目の可愛らしさから、「持っているだけで幸せな気持ちになれそう」と、妊活している方々の話題を集めています。
また、園内にある子授けヒノキは、ご神木として知られていますので、御守りを手に、子授けヒノキにも、しっかりとお祈りしておきましょう。
また、強烈なパワースポットとされているのが「深山巴の宿(じんぜんともえのしゅく)」で、日光開山の勝道上人が、修行の地として定めたところです。
巴形に清水が湧き出る池があり、現在は禊場として使用されている神聖な場所です。
せっかくですから、その強烈パワーも体感してみて下さいね。
古峯神社
住所:栃木県鹿沼市草久3027
電話:0289-74-2111
交通アクセス:JR「鹿沼駅」からバス停「古峯原神社」下車、すぐ
公式HP:http://www.furumine-jinjya.jp/
関東一の大きさを誇る大鳥居が、栃木県の「安住神社」のシンボルです。
平安初期の昌泰2年(899)、新井吉明が国家鎮護のために、摂津住吉大社の大神の分霊をこの地に祀ったのが始まりとされています。
底筒男命・中筒男命・表筒男命の三神は、「厄祓い・清め祓いの神様」として信仰され、とくに厄除け・方位除け(八方除け)・災難除けなどにご利益があるとされています。
「安住」という名称から「安らかなる住まいの神様」とも呼ばれ、安心して暮らせるよう家を守る神様としても信仰されています。
年中行事が盛んな事でも有名で、どんと焼や、節分祭、大祓(おおはらえ)、例大祭、大鏡餅奉納式、元旦祭等々、イベント開催の時は、多くの人出でにぎわいます。
安住神社の御祭神は、”子安神”として知られる「神功皇后」です。
神功皇后様は、子を宿したまま出陣し、安住大神の御神徳により、無事に帰還してから応神天皇を産んだそうです。
このことから、安住神社は子授、安産、子どもの無事な生育を祈願する神社として、古くから信仰を集めてきました。
中でも境内にある生子神社(うきこじんじゃ)には、天地創造の時に最初に生まれたとされる神様・天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を祀っており、産霊(むすび)の御神徳から「子授け」の神として知られています。
「子授け」の神様にも縁が深い神社ですから、子授けを願う方は、是非とも訪れたいスポットです。
安住神社
住所:栃木県塩谷郡高根沢町上高根沢2313
電話:028-675-0357
交通アクセスJR宇都宮線「宝積寺駅」よりタクシーで約15分
公式HP:http://yasuzumi.com/
日光の神社といえば、真っ先に名前が挙がるのは東照宮です。
その東照宮の裏手の山中に、伊勢神宮に次ぐ広い神域を有し、パワースポットとして注目されているのが二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)です。
その二荒山神社本社の西に約1㎞、生い茂る木々の中にひっそりと佇んでいるのが滝尾神社で、二荒山神社の別宮です。
二荒山神社ご祭神は「田心姫命」(たごりひめのみこと)で、弘法大師が820年に祀ったもので、日光東照宮よりも古い歴史を有し、二荒山神社よりも強いパワーが漲っているという評判の神社です。
楼門前の三本杉には、日光山の神が宿っているとされ、「運試しの鳥居」と呼ばれています。
この鳥居の小さな穴に石を3回ほど投げ、1回でも穴を通ったら良いことがあるというのです。
また、子宝に恵まれ安産になるという「子種石」、笹に願いを込めると縁が結ばれるとされる「縁結びの笹」など、魅力的なスポットがいっぱいです。
深い山の中にあるため、参拝者も少なく、ゆっくりと大自然を感じながら参拝できる穴場スポットですが、滝尾神社までの山道はかなり険しいので、クルマで向かう方が賢明です。
滝尾神社
住所:栃木県日光市山内2310-1
電話:0288-54-0535(二荒山神社)
交通アクセス:JR東武日光線「日光駅」から東武バス中禅寺湖方面行きに乗車、「神橋」下車、徒歩30分
公式HP:なし
以上、子宝のパワースポットとして有名な栃木県の神社をご紹介しました。
お参りしたら必ず子供を授かるということではありませんが、多くの妊活女性が訪れるパワースポットですので、近い神社や興味がある神社があればぜひ足を運んでみてくださいね!